オミクロン株が森保ジャパンの強化活動を直撃する懸念
新たな脅威として世界的な規模で急拡大している新型コロナウイルスの変異株、オミクロン株が日本サッカー界にも大きな影響を及ぼし始めた。 日本サッカー協会(JFA)は1日、オランダ遠征から同日に帰国した日本女子代表「なでしこジャパン」の選手およびスタッフが、政府が定めるオミクロン株への対応の一環として14日間の待機が求められることになったと発表した。 空港検疫所定のホテルで6日間隔離され、7日目以降は自宅または事前に手配した宿泊施設で14日目まで待機する状況を受けて、WEリーグは4日に予定していた第11節の5試合の延期を決定。今月中に予定されていた国内組を対象としたなでしこの強化合宿も、待機期間と重複する状況を受けていったん白紙に戻された。 1日にオンラインでメディアに対応した男子日本代表の森保一監督も、年末から年始にかけて予定していたヨーロッパ組視察の変更や中止を想定していると明言。厳重な防疫体制が今後も続けば、中国、サウジアラビア両代表と対戦するアジア最終予選を含めて、年明けに予定されている一連の代表活動も直撃する可能性が出てきた。
女子は4日のWEリーグが延期
日本国内でもすでに2例の感染者が確認されるなど、新たな脅威を及ぼしつつある新型コロナウイルスの変異株、オミクロン株が日本サッカー界をも直撃した。 10月に就任した池田太監督体制下で初めて臨む対外試合として、オランダでアイスランド、オランダ両女子代表と対戦。前者に0-2で敗れ、後者とは0-0で引き分けたなでしこが1日午前に成田空港に帰国した。 しかし、遠征中に南アフリカやボツワナ、滞在先のオランダをはじめとするヨーロッパ諸国、そして日本でもオミクロン株の感染者が確認された事態を受けて日本政府も水際措置を厳格化。スポーツにおける「特段の事情」が認められなくなっていた。 空港検疫で選手18人、池田監督以下のスタッフ全員の陰性が確認されたチームは、そのまま空港検疫に指定されたホテルで6日間の隔離に入り、7日目以降は自宅または事前に手配した宿泊施設で14日目まで待機することを求められた。 必然的に4日に予定されているWEリーグ第11節に出場できないため、WEリーグは1日午後に開催した実行委員会で、チーム間の公平性が保たれないとして第11節の延期を決定。14日間の待機中はトレーニングもできないため、来週以降に予定されていた、国内組を対象としたなでしこの強化合宿もいったん白紙に戻された。 もっとも、影響は男子日本代表にも及びつつある。 例えば森保監督が年末年始に予定していたヨーロッパ視察。現状の水際対策が続けば帰国後は14日間の隔離及び待機が求められるため、1日にオンラインでメディアに対応した指揮官は、右ひざの故障から復帰を果たしたMF久保建英(20・マジョルカ)をはじめとする選手の視察に関して、中止を含めた計画の見直しも想定していることを明言した。 「何ヵ国か回りたいと思っているが、各国で行動制限が出ると視察する目的が達成できないし、帰国後に仕事へ支障が出ると本末転倒になるので、オミクロン株に関する状況を見ていきたい。まずは一人の国民として、オミクロン株に対して政府から出されるルールをしっかりと守っていきながら、自分の行動につなげていきたい」