楽天前監督・今江氏 巨人入団決定的の田中将大に期待「彼の“底力”というものを応援したいです」
見せろ、マー君の底力!今季楽天の監督を務めた今江敏晃氏(41)が16日、楽天を退団して巨人入団が決定的となっている田中将大投手(36)に熱いエールを送った。自身が指揮を執った今季は右肘の手術明けとあってわずか1試合の登板。移籍先が決まるまで心配していたという今江氏は、残り3勝に迫る日米通算200勝も「通過点」と位置づけ、新天地のマウンドで完全復活した姿を望んだ。 期せずして、今江氏と田中将はともに今季限りで楽天のユニホームを脱いだ。田中将の退団後の一連の報道には「本当に、もう本当に心配していた」と明かし、巨人入団決定的の報に「安心した。彼にはもっともっとプレーを続けてほしいと思っていたので」と我が事のように喜んだ。 「チームが決まって、また(力を)発揮する場ができた。やってくれると思います。ここからまた彼の“底力”というものを、僕は応援したいです」 その「底力」を、今江氏も肌身で感じてよく知っている。ロッテでの現役時代には何度も対戦。通算62打数13安打の打率・210、0本塁打、14三振に封じられた。田中将がヤンキースから楽天に復帰した21年以降はコーチ、監督として接し「彼の凄さというのはもちろん分かっている。彼の持っている力、功績もそう」。右肘のクリーニング手術明けだった今季は、コンディションが上向かずにわずか1試合の登板に終わったが、だからこそ逆に「底力」を発揮すると強く信じている。 「今年は思うようなシーズンを過ごせなかったと思う。そこを踏まえて、彼はいろんな思いを背負ってやっている人間。マウンド上でそれを思い切って出してもらいたい」。13年には東北のファンの思いを背負い、自ら胴上げ投手となって球団初の日本一を達成した。時が流れて今季は日米18年目で自身初の0勝と結果を残せず、大幅減俸の提示に「もう期待されていないんだな。実質、居場所はないんじゃないかと」と退団を決意。36歳の反骨心に新たな火をつけたに違いない。 日米通算200勝まで残り3勝。それでも「彼にとっては通過点」と強調した今江氏は、「彼がマウンドで投げている姿を楽しみにしている人はたくさんいる」とファンの思いを代弁した。新たな本拠地、新たなユニホーム。田中将が再び思い切り腕を振る日を、今江氏も待ち望んでいる。(鈴木 勝巳)