VTuberの祭典『ぽんぽこ24 vol.8』が今年も開催 「楽」をテーマにした企画の数々を振り返る
11月23日20時から24日20時、VTuberの甲賀流忍者ぽんぽことピーナッツくんが24時間配信企画『ぽんぽこ24 vol.8』を開催した。毎年恒例の企画となっている本企画、Xでは「ぽんぽこ24」がトレンド1位を獲得、同時視聴数が5万人を突破するなど、今年も大きな話題となった。過去vol.1~ vol.7については以前記事にて紹介しているので、ぜひそちらも参考にしてほしい。今回は、8回目の開催となる『ぽんぽこ24 vol.8』を振り返っていこう。 【写真】柴田聡子の時計から始まった「ぽんぽこわらしべ長者」 その後登場した8人のゲストとアイテムたち 筆者はvol.6となる 『Future』から視聴している新参者だが、『ぽんぽこ24』はもはやVTuber界のみならず、YouTube全体を盛り上げるビッグイベントとなっている。毎年何かしらのテーマを掲げて開催されている本イベントだが、今年のテーマは「楽」。なぜこのテーマになったのかは、イベント開催を告知した動画で語られている。 2024年10月18日に実施された生配信では、ぽんぽこが今年も『ぽんぽこ24』を開催することを宣言。そしてテーマが「楽」になったことを明かした。 ・テーマは「楽」 その背景とは? ぽんぽこによれば、テーマとして掲げられた「楽」には、「ラク&たのしい」という意味が込められている。というのも今年のふたりは多忙を極めており、全国を回るリアルイベントツアー『ぽこぴーの回覧板』や、ラッパーとしてアーティスト活動も行っているピーナッツくんは4都市を回る『BloodBagBrainBomb Tour』を開催。ほかにも温浴施設『極楽湯/RAKU SPA』とのコラボや、『Tamagotchi Uni』とのコラボなど、動画外での活躍も凄まじい。そのうえで通常動画も撮影・投稿しているという状況だ。そんななかで、かなりの準備が必要となる『ぽんぽこ24』を開催するとなると、ファンからしても「無理しないで……!」と思わず心配になる忙しさだろう。 その打開策として掲げたのが、「楽」というテーマなのだ。「これが無事成功したら、次回があるかもしれない」「あの手この手で続けようと思って」とぽんぽこが語るように、今回は年々状況が変化していくなかで、“続けていく”ための道を切り開く回となっている。このテーマからは、どんな環境になっても『ぽんぽこ24』続けていこうというふたりの気持ちが伝わってくる。 ・「楽」はどうやって実現した? では、具体的にどのように「楽」な『ぽんぽこ24』を実現したのだろうか。大きなポイントは「リバイバル」と「事前収録」だ。 今回の『ぽんぽこ24』では、復活してほしい企画を視聴者投票で募ることに。結果、ふたりが「気に入っている」と紹介した「大喜利代理戦争」や、もっとも投票数が多かった「ピーナッツくんをプロデュース⁉︎」など、過去7回で行った人気企画を復活させることとなった。そもそも過去7回で企画を「使い捨ててきた」ことにも驚きだ。「本当に企画会議が大変」とピーナッツくんが語ったように、企画作りは毎度苦労をしていたようだ。 そして今回からは企画の事前収録も実施された。にじさんじの人気VTuber・剣持刀也とコラボした「刀ピー戦慄迷宮」や、元モーニング娘。の後藤真希によるVTuber・ぶいごまが出演する「カラオケデスゲーム~生き残るには歌うしかない~」、8人のゲストと物々交換をする「ぽんぽこのわらしべ長者」といった企画は、事前に収録されたビデオを流す形となった。 ・『ぽんぽこ24 vol.8』を振り返る 24時間にわたってさまざまな企画が実施された『ぽんぽこ24』だが、ここではそのなかから「カラオケデスゲーム~生き残るには歌うしかない~」「刀ピー戦慄迷宮」「ピーナッツくんをプロデュース⁉︎」「ぽんぽこのわらしべ長者」をピックアップして振り返っていこう。 まずは「カラオケデスゲーム~生き残るには歌うしかない~」。この企画では後藤真希によるVTuber・ぶいごま、VTuberユニット・おめがシスターズのおめがリオ、バーチャルアーティスト・HIMEHINAの田中ヒメら3人がカラオケを楽しむ様子を写した。動画は初っ端から「残酷な天使のテーゼ」を熱唱する姿からスタート。これには視聴者も「プロだ」「さすがの上手さ!」と驚きの声を上げた。いきなりプロの生歌を聴くことになるとは、改めて『ぽんぽこ24』のスケールの大きさと、ふたりの人脈に圧倒される。ただ、3人が歌っている姿を見ると、大物芸能人に恐縮するような空気は感じられず、純粋に仲良くカラオケを楽しんでいるようで、心地いい。 と、思いきや、突如“謎の2人組”が現れ、3人はミッションを与えられることに。ほのぼのカラオケ回かと思いきや、部屋の脱出を賭け、カラオケにちなんだ試練に挑むこととなってしまった。果たしてどうなったのかはぜひ本編をチェックしてほしいが、最後には“あの名曲”も披露されたことはお伝えしておこう。視聴者も「ぶいごま×カラオケ」ということで「いや、まさかな……」と思いつつ期待していた瞬間だっただろう。まだ2つ目の企画だったにもかかわらず、フィナーレかと思うほどの感動と盛り上がりだった。 ・「ピ虐」×「刀ピー」が組み合わさった「刀ピー戦慄迷宮」 続いておこなわれたのはピーナッツくんとにじさんじ・剣持刀也による「刀ピー戦慄迷宮」。毎年クリスマスにコラボし、世間で盛大なバズを起こす「刀ピー」のふたり。ピーナッツくんが異常な愛情を伝え、剣持が嫌がるという“独特なイチャイチャ”が人気のふたりだが、そんな彼らが「本当の恐怖」を体験するとどうなるのだろうか。 本企画では、そんなふたりが『富士急ハイランド』にあるアトラクション『戦慄迷宮』に挑戦。“世界最長のホラーハウス”として有名な本アトラクションだが、なんと今回は貸切で撮影をしているのだとか。許可が取れること自体すごいことだろう。これには剣持も「ふたりが権力を持ち始めている」と驚きを見せた。 本企画はホラーが苦手なピーナッツくんが恐怖する様子を見て楽しむ“ピ虐”というシリーズの一環とのことで、ぽんぽこが望んでいた企画の一つだという。「そこに剣持くんと連れてきました」と話すピーナッツくんに巻き込まれる形となった剣持。開始早々から 「関係なくない?」「いいよどうなろうとも」「家で『ポケポケ』とかしたいし」と剣持が苦情を述べるも、「まあまあ」とあしらうピーナッツくん。開幕からふたりの仲の良さを見せた。 ホラーが苦手なピーナッツくんだが、“名相方”である剣持が参加するとなると、どれだけ面白い1本になるのだろうか。果たしてイチャイチャしている暇などあるのだろうか? ふたりの様子をぜひ本編で確認してほしい。 ・人気トラックメイカー、アーティストが勢揃いした「ピーナッツくんをプロデュース⁉︎」 続いて「ピーナッツくんをプロデュース⁉︎」を振り返っていこう。こちらは、視聴者投票でもっとも要望が多かったリバイバル企画となっている。 アーティストとしても活動しているピーナッツくんを、アーティストたちがプロデュースするという音楽企画だ。今回出演したのはPEOPLE 1のDeu、Diosのたなか、シンガーソングライターの菅原圭、VTuberの周防パトラ、ボカロPの原口沙輔だ。 各アーティストが同じバックトラックをもとに、ピーナッツくんに歌ってほしい曲を制作。発表後は誰がどのアレンジをしたのか当てていくという、いわば“音楽人狼”形式になっているのだが、歌詞やリズム、メロディ、ピーナッツくんの声をどう使っていくのかなど、アーティストそれぞれの色が出ているのが見どころだ。最後には本人歌唱のバージョンも聞くことができるので、ピーナッツくん歌唱版と聴き比べる楽しさもある。 視聴者も、出演しているゲストと一緒に「このアレンジはあの人っぽい!」「これは絶対この人だろう」と、各アーティストの特徴を踏まえて予想する楽しさがある。出演しているゲストの豪華さに目が行きがちだが、企画としてもよく練られたものになっているのではないだろうか。曲によっては一瞬で当てられてしまうシーンもあり、笑いあり・驚きありの企画となっていた。 ・トップYouTuberも登場した「ぽんぽこわらしべ長者」 最後に紹介するのは、ぽんぽこによる「わらしべ長者」で、8人のゲストのもとにぽんぽこが訪れ、物々交換をしていく企画となっている。本企画ではVTuberはもちろんのこと、シンガーソングライターやYouTuberも出演しトップYouTuberのでもあるはじめしゃちょーも登場するなど、ぽんぽことピーナッツくんの人脈の広さと認知度に驚かされる。そしてどんな相手とも盛り上がることのできるぽんぽこの愛され力も、改めて実感できる企画となっていた。そして最後には視聴者も驚きの著名人が出演し、大きな話題となった。日頃から、バーチャルも現実も関係なく渡り歩くふたりだからこそ、実現できた企画だろう。 そして企画の合間に放送される、一般公募に投稿されたCMたちも、年々クオリティが上がっている。歌系の企画のあとは音楽にちなんだCMが流れたり、ホラー企画のあとはホラー系のクリエイターの映像が流れたり、朝の時間帯は朝のテレビで流れているようなCMが厳選されるなど、全体の構成も完成度を高めている。過去には『ぽんぽこ24』のCM出演をきっかけにブレイクしたクリエイターもおり、同企画のCM枠はひとつの登竜門的な場になりつつある。 テーマは「楽」といいつつ、いままでのふたりの努力の積み重ねにより、例年通りのクオリティは維持されたまま、満足度の高い祭典となった『ぽんぽこ24 vol.8』。改めて、『ぽんぽこ24』を続けていこうと決断してくれたふたりに感謝を伝えたい。そして、来年の『ぽんぽこ24 vo.9』をいまから心待ちにしたい。
はるまきもえ