DeNA、ホームでもトンネルは抜け出せず…9連敗となった現実に指揮官「やれることをもう全員でやることしかない」と決意
◆ 「全員で何かを掴んでいかないと」 1・2軍の選手の入れ替えに、スタメンもガラッと変更。ホームの地の利も活かし、なんとしても勝利をつかみ取りたかった一戦だったが、結果は切ない逆転負けとなってしまった。 序盤は制球の定まらない阪神の先発・村上頌樹に対し、2回にこの日昇格した林琢真が犠牲フライで先制といい流れでスタート。先発のアンドレ・ジャクソンも球威で押す荒々しさを前面に出し、5回までで8奪三振、無失点と文句なしのピッチングを披露した。 しかし6回、先頭の近本光司のユニフォームをかすめたデッドボールから嫌なムードが漂い始めた。ジャッジに不服そうなアクションを見せたジャクソンはここから乱れ、阪神のクリーンアップに3連打を許しあれよあれよという間に逆転でKO。後を任された京山将弥も猛虎打線の勢いを止められず、この回4点を奪われた。 打線も中盤以降すっかり立ち直った村上の前に沈黙していたが、8回に山本祐大と宮﨑敏郎の代打攻勢で1点を返し、さらに2死満塁まで攻め立て村上をマウンドから降ろすことに成功。この日一番の見せ場、7月絶好調の佐野恵太と阪神の左のセットアッパー・桐敷拓馬の対決となったが、結果はセカンドゴロで桐敷に軍配。9回も岩崎優に抑えられ、トンネルを抜け出すことはできなかった。 試合後三浦監督は「みんな喰らいついていったんですけどね」と選手を攻めることはせず、ジャクソンについても「まっすぐは力ありました。6回、打たれたところは変化球が浮いたところだったんでね。そこが失点に繋がったかなというところですね」ともう一息だったと分析した。 また4番から3番に打順を変更した牧秀悟には、チャンスで打てなかったことが多かったこともあり「ここんとこヒットは出ているので、打順を1個上げて、チャンスメイクってところを期待して上げた」と理由を説明。しかし皮肉にもランナーがいる場面で打席に入りノーヒットの結果に「やっぱり牧のところにはチャンスで回ってくる。そういう選手なのかな。ここを乗り越えて。1本出ればまた変わると思いますけどね」と明日からの変わり身に期待を込めた。 ホームに帰ってきても、勝ち星を掴めなかったDeNA。「やっぱり何かきっかけを掴むためにもね、やれることをもう全員でやることしかないんですけどね。スタメンだけじゃなく、途中からもそうですしね。ブルペンもそうですし、全員で何かを掴んでいかないと」と指揮官は言い切った。崖っぷちから頂へ這い上がるためにも、10連敗だけは避けなければならない。 取材・文 ・写真 / 萩原孝弘
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