<わたしたちと音楽 Vol.30>齋藤友香理 音楽を通して身につけた、自分の意思を伝える力
米ビルボードが、2007年から主催する【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック(WIM)】。音楽業界に多大に貢献し、その活動を通じて女性たちをエンパワーメントしたアーティストを毎年<ウーマン・オブ・ザ・イヤー>として表彰してきた。Billboard JAPANでは、2022年より、独自の観点から“音楽業界における女性”をフィーチャーした企画を発足し、その一環として女性たちにフォーカスしたインタビュー連載『わたしたちと音楽』を展開している。 今回ゲストに登場したのは、指揮者の齋藤友香理。2013年にドレスデンに渡り、欧州でリール国立菅やウィーン・トーンキュンストラー管を指揮する経験を積んで、2021年に帰国した。2月8日に開催される【Billboard JAPAN Women In Music vol.2】では東京フィル・ビルボードクラシックスオーケストラを率いて、家入レオ、加藤ミリヤと共演する。ひたむきにクラシックの世界を歩んできた彼女の、ドレスデンでの生活を経て変化したこととは。
ポップスとオーケストラが出合う、相乗効果に期待している
――まず、2月8日に控えているライブの意気込みをお聞かせいただけますか。 齋藤友香理:様々なジャンルの音楽に興味があるので、家入レオさん、加藤ミリヤさんというタイプの異なるお二人と共演できることをとても楽しみにしています。 ――日頃クラシックの世界で指揮を執っている齋藤さんは、ポップミュージックとオーケストラのコラボレーションはどんな機会だと捉えているのでしょうか。 齋藤:この貴重なチャンスに私をご指名いただいたことにまず感謝ですね。まだこれから詳細を詰めていく段階ではありますが、普段の仕事とは異なる新しいスタイルの自分が見つかる気がしています。といっても、今回コンサートに向き合う心持ちは、いつものクラシック音楽をみんなで作り上げる感覚と同じです。ただ楽曲のリズムやムードによって、私の指揮のスタイルやオーケストラが表現する音には変化があるはずなので、それが楽しみ。相乗効果でどんなプラスが生まれるか、私自身が期待しています。 ――今回のコンサートは、ビルボードジャパンによる【Women In Music】のプロジェクトの一環ですが、こういった女性をエンパワーメントするための催しが開催されることについては、どう思われますか。 齋藤:これまでにはあまりなかった企画ですよね。このプロジェクト自体に興味を持って聴いてくださる方もいるでしょうし、より広く様々なお客様に音楽を届けられると思うと嬉しいですね。