コンビニでちょっとだけ…のつもりが、いつの間に借金300万円に!? カード払いを繰り返す妻の多額借金返済ストーリー【書評】
涼子は自分の作った借金だけではなく、義母の借金まで肩代わりすることになる。義母も多額の借金を抱えている上に、それをまったく悪いと思っていないとても困った人だ。しかし、義母がお金や物がないと人間関係を築けないさびしい人だと分かる。義母と同じような性格の人はきっと少なくないだろう。なぜ人はお金を使いすぎてしまうのか? という問いに鋭く切り込んだ、読んでいて胸にぐさりと刺さるシーンが多い作品だ。
積み重なる借金の返済生活を描いた本書だが、借金をして得たものも描いている。家族の笑顔を守りたい、その一心で涼子は借金と戦い続ける。過酷な展開が多い分、その中で描かれる夫の優しさや子どもたちの無邪気さがより一層尊く感じられるのだ。ついつい散財してしまう浪費癖のある人は、本書を読んでお金を使いすぎる恐怖をあらためて再確認してみてはいかがだろうか。 文=ネゴト/ まわる まがり