「汚職する人間ではない」と潔白主張 収賄起訴の台湾野党党首、柯文哲氏を保釈
【台北=西見由章】台北市長時代に商業ビル開発を巡り賄賂を受け取ったなどとして収賄などの罪で起訴された台湾の第2野党「台湾民衆党」の柯文哲主席(党首)が27日、保釈された。柯氏は「私は自分が不正な利益を供与したり、汚職を働いたり、違法なことを行ったりする人間ではないと信じている」と述べ、潔白を改めて主張した。自宅前で記者団に語った。 柯氏は保釈され勾留先の建物を出る際、つまずいて転びそうになり周囲に支えられる一幕もあった。 台北地方法院(地裁)が27日、保釈を決定した。保釈保証金は3000万台湾元(約1億4000万円)。台北地方検察署(地検)は抗告する方針。 検察当局が8月末に柯氏を逮捕し、地裁はいったん釈放を決めたが、差し戻し審で勾留を決定し9月5日に収監されていた。 地検は12月26日に柯氏を起訴したと発表した。起訴状によると、柯氏は台北市長だった2020年以降、商業ビル開発を巡り企業側の依頼を受けて容積率を不正に引き上げ、企業に約121億台湾元の不正な利益を供与した。また22年10~11月、この見返りとして企業側から賄賂を受け取るなど計1710万台湾元の賄賂を得たなどとされる。