日本中の“パチンコ”を集めた…!74歳のパチンコマニアが、自宅を大増築してまで博物館を作った「衝撃の理由」
横須賀の住宅地に突如現れる、自宅博物館
海軍の町として知られる横須賀。異国情緒ただようドブ板通りなどがある市の中心部から離れた馬堀海岸の住宅地に、世にも珍しいパチンコ博物館がある。 【写真】これは超レア…!サザエさんのパチンコ台を見る! 京浜急行の馬堀海岸駅から歩いて15分ほどの住宅地に位置しており、パッと見は普通の住宅だ。しかし、玄関の上部に見える三角屋根の部屋は、博物館のために大増築したものだというから驚きだ。 2020年にオープンしたパチンコ博物館は、完全予約制で日曜日のみ開館する。約束した時間にうかがうと、ピンポンを鳴らすまでもなく、館長の杉山一夫さん(74歳)が玄関前で出迎えてくれた。そして館内の展示物を通して、パチンコが誕生した背景や歴史を、2時間ほど時間をかけてじっくり案内・解説してくれるのだ。 館内には、骨董市やネットオークションなどで集めた100台に及ぶ手打ち式のパチンコ台があり、パチンコが誕生した昭和初期頃から製造されてきた昔ながらの機種が並ぶ。 さらには、ピンボール、玉ころがし、そして今でも温泉地で見られるスマートボール(玉をはじいて遊ぶ遊戯具)など、展示のバリエーションは実に幅広い。ドラえもんやウルトラマンなどのパチンコゲームのおもちゃは、小さい頃に遊んだ人も多いはずだ。 パチンコ台には様々なテーマが扱われており、中でも興味深いのが、国民的アニメ『サザエさん』をモデルにしたパチンコ台。昔ながらの絵柄や、普段のサザエさんでは見られないキャラクターまでもが描かれているところが実におもしろい。 パチンコが誕生した経緯や、昔のパチンコ台の構造だけでなく、換金の仕組みや特殊景品に関する背景まで、とにかくパチンコにまつわる様々なエピソードを語ってくれる杉山さん。来館すれば、謎に包まれたパチンコの世界に存分に浸ることができるのだ。
パチンコとの出会いは5歳
パチンコ誕生博物館は、ここに暮らす館長の杉山さんが個人で運営する博物館だ。一体なぜ、杉山さんは自宅を大増築してまで博物館を開いたのか。 1950年に横須賀で生を受けた杉山さん。パチンコとの出会いは5歳と早く、当時通っていた銭湯の隣にあった小さなパチンコ屋がきっかけだった。 「子どもの頃から絵を描くことが好きだったんですよ。パチンコ台には入賞口や風車などに絵がついているじゃないですか。それが、紙芝居が立体になったように見えたり、さらには玉をはじいて風車が回り、絵が動くこともあるわけですよ。子どものときはそれが実に興味深かったんです」