亡くなった祖父の家からボロボロの「大黒天のお札」が見つかりました。「壱円」との表記がありましたが、今の時代でも「1円」扱いなのでしょうか? また、プレミア価値はありますか?
大黒天のお札など、古いお札が見つかったらどうしたらよいのでしょうか?古いお札の持つ価値や古いお札がプレミア価値がつく背景を解説します。また、大黒天のお札の取引価格や買い取り価格を高めるポイントも紹介します。 ▼実家の物置で「鳳凰」の描かれた100円玉を発見! 昔のお金は今も使える? 高く売れる場合もあるの?
大黒天のお札とは?
明治15(1882)年に日本唯一の紙幣発券機関として日本銀行が設立されました。その後、明治18(1885)年には紙幣として「1円」「5円」「10円」「100円」の4種類のお札が発券されています。 この4種類のお札には「大黒天」が描かれていることから、通称「大黒札」として日本で使われるようになりました。日本銀行兌換銀券(にほんぎんこうだかんぎんけん)と書かれていのは、銀貨と交換することが保証されていることが理由です。 大黒札のサイズは横13.5センチメートル、縦が7.8センチメートルで当時の写真技術では写りづらい青いインクで印刷されているなど、偽造防止策も施されているのが特徴です。 なお、明治18(1885)年以降に発券されたお札は全53種類ありますが、すでに31種類は通用力を失っています。しかし発行が古い大黒札の4種類のうち、「1円券」は現在でも「1円」として使うことが可能です。
古いお札はプレミア価値がある?
古いお札は「旧紙幣」や「古紙幣」としてコレクターの間で取引されています。旧紙幣は現在も現金として使用できるお札である一方、古紙幣は通貨として使用できない古いお札です。 発券から長い時間が経過し、流通が停止されたために残っている枚数が少ないお札や、発券枚数自体が限られている紙幣は、希少価値が高く評価されます。そのため、お札にはプレミア価値がつけられ、コレクターの間で高値で取引されます。特に記念紙幣や人物を称えた紙幣など、歴史的な象徴が表現されているお札は人気です。 また、デザイン性が優れるなど有名な人がデザインに携わったお札は、アートコレクターにも人気があります。このように古いお札はプレミア価値がついて高い値で取引されているのです。