日鉄エンジがCO2回収・貯留施設の基本設計業務8件受注。日本製鉄など3社から
日鉄エンジニアリング(社長・石倭行人氏)は25日、日本製鉄など3社から、二酸化炭素(CO2)の回収・貯留施設に関する基本設計業務を合計8件受注したと発表した。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の「先進的CCS(CO2の回収・貯留)事業」の一環で日鉄などが請け負う事業の一部を担う。中長期的な事業規模は年間数千億円を見込む。 日鉄から受注したのは3件。このうち「日本海側東北地方」のCCS事業は、日鉄・九州製鉄所大分地区(大分市)などで分離・回収したCO2を海上輸送し、日本海沿岸の海底下に貯留する構想だ。日鉄エンジはCO2の分離・回収設備と液化・貯蔵・出荷設備に関する検討を請け負う。 日鉄向けではこのほか、「首都圏CCS事業」と「大洋州CCS事業」でそれぞれ用いるCO2分離・回収設備の検討業務を受託した。 日鉄以外では、INPEXから「首都圏CCS」の4件を、三菱商事から「大洋州CCS」の1件の基本設計を受注した。三菱商事向けは、日鉄エンジ子会社の日鉄パイプライン&エンジニアリング(社長・鈴木隆氏)が担当する。 日鉄エンジは今年10月、新組織「CCS事業推進部」を設置した。CO2の分離・回収から液化・貯蔵、パイプライン輸送、貯留に至るまでCCSに必要な各種施設整備をワンストップで提供する体制を整え、受注を強める狙いがある。 同社は、半世紀にわたる洋上での石油・ガス掘削施設の豊富な建設実績がある。こうした経験をCCS事業にも生かす。