F1勢力図変動中!? 高温、連戦、スプリントフォーマットで予測不能な状況に【オーストリアGP プレビュー】
高低差の大きい起伏に富んだコースレイアウト
オーストラリアGPの舞台となるのは、オーストリアのシュタイアーマルク州の緑あふれるのどかな丘の中にあるレッドブルリンク。起伏に富んだ高低差の大きいコースで、かつてはエステルライヒリンク、A1リンクなどと呼ばれたが、コース改修に伴い、レッドブルリンクという名称となった。その名称からもわかるように、レッドブルのホームコースとなる。 このサーキットはシリーズの中でもユニークな特徴を持っている。まず全長は4318mと短く(モナコ、インテルラゴスに次いで3番目に短い)、コーナー数が10とシリーズの中で最も少なく、ラップタイムは1分ちょっとと最も速く、最高地点と最低地点の標高差は63.5mとスパ・フランコルシャンに次ぐシリーズ2番目の大きさとなっている。 コースは標高の高い場所にあるため酸素濃度が低い上に、F1マシンはターン2・5・8をエンジン全開で駆け抜けるため、エアロダイナミクス、冷却、過給効率が大きな課題となる。また、エンジンにとってはパワーが出しにくく全開率が高くなるためトラブルが多く、マシンにとって過酷なサーキットと言われる。 タイヤ戦略は摩耗や劣化が比較的低小さいため理論上は1ストップも可能なはずだが、気温が高くなるとタイヤの熱管理が難しくなる傾向があり、2ストップが勝利戦略となることが多い。
参考データ「2023年F1第10戦オーストリアGP」
昨年2023年のオーストリアGPもスプリントフォーマットで開催されたが、レッドブルのマックス・フェルスタッペンは予選、スプリントを圧倒的なペース差で制覇すると、決勝ではピットインのタイミングで一時トップの座をカルロス・サインツ(フェラーリ)に奪われたものの、すぐさま首位を奪い返すと、あっという間に2位以下に20秒以上のリードを築き上げ、ファステストラップも獲得する完全勝利を飾った。 昨年のこの時期のフェルスタッペンは手が付けられないほどの速さを見せていた。 【参考】2023年F1第10戦オーストリアGPスプリント 結果 1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT) 24周[8] 2位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+21.048s[7] 3位 55 C.サインツ(フェラーリ) +23.088s[6] 4位18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス) +29.703s[5] 5位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+30.109s[4] 6位 27 N.ヒュルケンベルグ(ハース・フェラーリ)+31.297s[3] 7位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+36.602s[2] 8位 63 G.ラッセル(メルセデス)+36.611s[1] 9位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス) +38.608s 10位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+46.375 ・・・・・・・・・・・・・ 16位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)+64.822s 17位 21 N.デフリース(アルファタウリ・ホンダRBPT)+65.617s ※[ ]=獲得ポイント 【参考】2023年F1第10戦オーストリアGP決勝 結果 1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT) 71周[25 ]2位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+5.155s[18] 3位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+17.188s[15] 4位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+26.327s [12] 5位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+30.317s[10] 6位 55 C.サインツ(フェラーリ) +31.377s[8] 7位 63 G.ラッセル(メルセデス) +48.403s[6] 8位 44 L.ハミルトン(メルセデス) +49.196s[4] 9位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)+59.043s [2] 10位 10 P.ガスリー(アルピーヌ・ルノー)+67.667s[1] ・・・・・・・・・・・・・ 17位 21 N.デフリース(アルファタウリ・ホンダRBPT)+1周 19位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)+1周 ファステストラップ 1 M.フェルスタッペン(レッドブル) [1] ※[ ]=獲得ポイント