早大の2年生FBがイングランド戦で代表デビュー ジョーンズHC「彼は日本の未来」
代表初トライは惜しくもお預け
そしてイングランド代表戦、矢崎は桜のジャージーを初めて着て、精悍(せいかん)な顔立ちで国立競技場のピッチに入場した。相手はラグビーの母国・イングランド代表だ。「イングランド代表は強いFWと、速いBKがいる。ずっと(試合を)見てきて、僕が好きなチームの一つだし、自分が好きだったチームと戦えるチャンスがあるのはワクワクします。エディーさんには『自分の持っているすべてを出してこい』とアドバイスを受けました」 矢崎はハイボールキャッチでミスしたシーンもあったが、前半、臆することなくランで仕掛けたり、ジョーンズHCが掲げる「超速ラグビー」を実行するためにクイックタップで攻めたりと、周りの選手たちと比べて遜色ないプレーを見せた。「いい形でボールを受けることができたら、特に前半の最初の部分では相手のディフェンスをずらすことができていた」 後半14分にはWTBジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス)のパスを受けて、FB矢崎がゴールラインに迫ったが、惜しくも相手のアーリータックルでトライを奪うことはかなわなかった。FB山沢拓也(埼玉ワイルドナイツ)に替わり、55分間のプレーに終わったが、堂々とした代表デビュー戦となった。
「経験重ね、信頼される存在に」
目標の一つだった日本代表初キャップを得た矢崎は6月29日、7月6日にマオリ・オールブラックスと戦う「JAPAN XV」の一員にも選出された。7月13日にはジョージア代表戦、21日にはイタリア代表戦とのテストマッチも控えている。 今後に向けて矢崎は「判断の部分であったり、反則の部分であったりというのはこれから経験値をあげていくことが大事になってくるので、そこは一つずつ進めていけたらと思います。経験を積み重ねて、2027年ワールドカップで日本代表が世界のトップ4に入れるように、今よりもっとチームからもファンからも信頼される存在になっていきたい」と前を向いた。 ワールドカップ出場と世界トップの選手を目指して、20歳の矢崎の挑戦は始まったばかりだ。
斉藤健仁