女子も奮闘 大阪・生根神社 夜空を焦がす巨大「だいがく」
女性だいがくの華麗な演技に大きな声援
一方、女性だいがくは重さ0・8トン。約45名の担ぎ手がおそろいの赤いハッピに身を包み、華麗な演技を披露した。男子だいがくと同様、だいがくを頭上に担ぎ上げる大技もしっかり決め、大きな拍手を浴びた。ときおり担ぎ手の表情にきらりと光るラメの化粧が、女性だいがくらしい華やぎを醸し出す。 体力が消耗するので、しばし休憩。今年で3年目という10代の担ぎ手は、太鼓をバチでたたくため、手のひらをテーピングしてしっかりガード。興奮さめやらずの雰囲気で、休憩中も担ぎ手仲間と会話に夢中だ。「しんどいけど、メチャ楽しい」の言葉を残して、だいがくへ担ぎに戻った。 中だいがくと女性だいがくの移動しながらの競演は変幻自在で、見飽きない。女性だいがくは担ぎ手を募集している。
日本海側の秋田や富山にも仲間が点在
大阪のだいがくは「玉出だいがく」だけとなったが、全国に仲間が点在している。秋田市の「竿燈」(かんとう)、富山県魚津市の「たてもん」、和歌山県紀の川市粉河の「山車」などだ。いずれも提灯を主体とする立体的構造物で、類似点が多い。 吉見宮司は「海上交易が盛んだった近世、上方文化が海路を通じて東北、北陸や和歌山へ広がっていったのではないか。いまだ研究途上ですが、祭りの文化が織りなす歴史ロマンに思いをはせてほしい」と話す。 だいがくは地域に灯をともすとともに、全国を照らし出す。 詳しくは生根神社(06・6659・2821)へ。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)