空に舞う煙、飛鳥の都へ 奈良県王寺町などが連携「明神山烽火プロジェクト」 烽火リレーで伝達時間検証
奈良県王寺町は14日、葛城市や明日香村、大阪府松原市と連携し、古代の伝達手段「烽火(のろし)」をリレーして伝達時間などを検証する「明神山烽火プロジェクト」を行った。 同町は2022年度、町の観光名所、明神山(標高約274メートル)で烽火を上げるプロジェクト第1弾を実施。今回は第3弾で、新たな烽火地点として松原市が加わった。 明神山からは明石海峡、奈良盆地を見渡すことができ、飛鳥時代、唐・新羅軍の侵攻を飛鳥の都へ緊急通報する烽火台があったと想像されている。 烽火は午前11時から1時間置きに計4回、松原市の大和川東運動広場、王寺町の明神山自然の森公園、葛城市のしあわせの森公園展望広場、明日香村の甘樫丘展望台の順に上げられた。 明神山自然の森公園では、昨年に続き、県立王寺工業高校機械工学科の生徒が製作した烽火を上げるロケットストーブ(全長約4メートル)が設置され、平井康之町長らも見守るなか、生徒らがスギやヒノキをいぶして烽火を上げた。
同校3年の萬木伸希さん(18)は「ドラム缶をつなぐ接合部分から煙が漏れないように意識して作った。風が強くて少し煙がなびいてしまったが、うまくいったと思う」と話した。 平井町長は「なんとか成功して良かった。原点に戻ることで、情報伝達の重要性を皆さんに改めて認識してもらえたら」と期待した。