早くも別格! J1リーグ、今夏の大当たり新戦力(5)大低迷クラブの救世主! 1人で問題解決したベテラン
夏の移籍ウインドーでJリーグの各クラブは不足している戦力の補強を実施した。負傷離脱者の穴埋め、下位から抜け出すための即戦力、優勝を狙ううえでのラストピース――。各クラブの判断の是非は、シーズン終了時の立ち位置によって明らかになるだろう。今回は、J1リーグにおける今夏の大当たり新戦力をピックアップして紹介する。※成績は『transfermarkt』を参照
DF:大﨑玲央(おおさき・れお) 生年月日:1991年8月7日 移籍先:エミレーツ・クラブ(アラブ首長国連邦)→北海道コンサドーレ札幌 2024リーグ戦成績(移籍後):10試合0得点0アシスト アラブ首長国連邦での旅路を終えておよそ半年でJリーグに復帰した大﨑玲央は、窮地に立たされていた北海道コンサドーレ札幌を救うような活躍を披露している。 2023年12月、大﨑はヴィッセル神戸で共闘したアンドレス・イニエスタが所属しているアラブ首長国連邦1部リーグ・UAEプロリーグのエミレーツ・クラブへと完全移籍で加入した。しかし、加入後のリーグ戦全試合でベンチ外となるなど、思わぬ苦戦を強いられることに。結局、大﨑は公式戦1試合の出場に留まり、今年6月に札幌へと加入した。 大﨑の加入時、札幌はJ1最下位に沈んでいた。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が志向する攻撃サッカーを実践しようとするも、攻撃陣と守備陣の意思が統一しきれずにチームバランスが不安定化。大量失点を喫する試合も珍しくなかった。だが、加入直後の大﨑が札幌の抱えていた問題に見事終止符を打つ。中盤の底でリンクマンの役割を担うことで、好守の分断が解消。大﨑にとっての新天地デビュー戦となった6月29日のJ1第21節・アルビレックス新潟戦から、札幌はリーグ戦10試合で4勝2分4敗と成績が大幅に改善し、現在は最下位から1つ上の19位に位置している。 33歳の大﨑が持ち合わせている経験も、不振にあえいでいたチームを大いに救っている。札幌の試合を観れば、大声を張り上げてチームメイトに指示を送る大﨑の姿を見つけることができるはずだ。酸いも甘いも嚙み分けたベテランのコーチングは、特に若い選手たちにとっては有り難いだろう。 試合後のインタビューで大﨑の声がすっかり枯れてしまっているのは、札幌を残留に導きたいと心から願っていることの証だ。果たして、大﨑はこのまま札幌の救世主となれるのだろうか。
フットボールチャンネル