砂丘地サトイモが高評価 酒田・JAそでうら、「荘内元禄」ブランド化進む
酒田市のJAそでうらは砂丘地でのサトイモ生産と「荘内元禄(しょうないげんろく)」の名前でのブランド化を進めている。かん水設備があるメロン栽培用の畑などを有効活用しており、砂丘地でのサトイモ栽培は順調に拡大。市場からは通常のサトイモに比べ皮が白くきれいなどと高評価を得ており、昨年産は半数以上を優・秀品の荘内元禄として販売した。年末年始の需要期に入り、出荷はピークを迎えている。 同JA管内の砂丘地で盛んなメロンはハウス栽培が主流となり、露地は減少。県庄内総合支庁産地研究室(同市)の研究でサトイモ「大和早生(やまとわせ)」が砂丘地での栽培に適していることが分かり、メロン用だった畑で2016年に試験的に露地栽培を始めた。面積は増え今年は32人が計470アールで育てている。砂丘地のサトイモについて同JAの土井ひろみ営農企画係チーフは「市場関係者から皮が白く美しいと評価されている」と説明。甘みやねっとりとした食感も好評という。
ブランド化は出荷時期が重なる他地域と差別化を図るため、見た目が良い秀品の孫芋を基準に21年から進めた。22年には荘内元禄を商標登録した。全体に占める割合は21年が60%、22年は59%、23年は75%。取引先からの引き合いが大きくなり、23年からは優品まで基準を広げ、出荷規模を拡大した。販売額は、21年がサトイモ全体で1703万円で、このうち荘内元禄は1274万円。23年は全体が2251万円で、荘内元禄は1994万円だった。 同JAによると、メロン生産者は葉物野菜も作る人が多かった。葉物野菜は出荷時期が限定されるが、サトイモは10~11月に収穫後に暗所で保管できる。同JA野菜部会長の佐藤潤一さん(52)は「出荷を調整でき販売価格が安定するのに加え、品質が良いときちんと値が付く」と喜ぶ。 おせち料理などで需要が高まる年末年始が出荷の最盛期という。主な出荷先は関東や関西で、県内のスーパーでも販売している。佐藤さんは「作り手とサトイモの生産を増やし、より高品質なものを作りPRしたい」と話した。