その眠気「いびき」のせいかも?まずは寝ている間に録音すべし!「8つの原因」と対処法を“眠りのプロ”が解説
「寝る姿勢」でいびきは軽減できる
いびきを誘発する、上気道の圧迫はなぜ起きてしまうのか。加賀さんによると原因は8つ。 (1)肥満 (2)加齢 (3)顎の骨格 (4)寝ている時の姿勢の悪さ (5)口呼吸 (6)扁桃の肥大 (7)寝室の温湿度 (8)アルコール・たばこ・薬 このうち(1)~(4)に心当たりがあるなら、眠る際の姿勢(体勢)を変えてみよう。 (1)肥満 首回りや舌に脂肪がついて肥大している (2)加齢 舌や口蓋垂(のどちんこ)の筋力が落ちている (3)顎の骨格が小さい、細い、噛み合わせが悪い 睡眠中の舌の収まりが悪く喉に落ち込む (4)寝ている時の姿勢の悪さ 睡眠中に顎を引いている首が反りかえる これらの場合は「上体が若干起きる」または「体全体が横向き」の姿勢で眠ると、上気道が圧迫されず、呼吸もしやすいそうだ。 ただ、上体を起こそうと「枕を高くする」のはNG。 加賀さんは「『上体が若干起きる』と『枕を高くする』は違うので注意してください。柔らかめの枕を2つ並べ、そこに上体を預けるようにして寝ると、ちょうど良い姿勢になりやすいです」と呼び掛けている。 寝相が気になるなら、頭部や背中に15度~20度の傾斜がある「ポジショニング枕」を使うのもアリ。姿勢をコントロールしやすくなり、いびきの軽減につながるという。
口呼吸や温湿度…生活習慣も大切
いびきを引き起こす(5)~(8)の原因には、生活習慣が関わってくる。 (5)口呼吸 乾燥、ほこりや菌の付着で喉が炎症している (6)扁桃の肥大 喉のリンパ組織(扁桃)が腫れている (7)寝室の湿温度 温度や湿度が低く、鼻詰まりを起こしている (8)アルコール・たばこ・薬 お酒やたばこ、服用する薬が影響している 加賀さんが特に「注意してほしい」と指摘するのは、睡眠中の「鼻詰まり」と「口呼吸」。鼻詰まりが起きると口呼吸になりやすく、口呼吸によって上気道が狭くなり、いびきが出やすくなるという“悪い連鎖”が起きるという。 空気が乾燥すると鼻詰まりの原因となるので、睡眠環境を整える意味でも、寝室の室温は「夏場は26℃前後、冬場は19℃前後」、湿度は「年間を通して55%前後」をキープしよう。手軽に試せる「鼻腔拡張テープ」や「口閉じテープ」を貼って眠るのもお勧めだと加賀さんは話す。 加賀さんによると、喫煙者は非喫煙者と比べていびきの発症率が2倍以上との相関関係が認められているなど、たばこやアルコールがいびきの原因となることもあるという。改善しない場合は、医療機関での相談も考えよう。