「別荘使用」と「定住目的」それぞれの言い分に翻弄…いま「リゾートマンション」で起こっている、新たなトラブル
日本バブル経済期の1980年代に多く建てられたリゾートマンション。庶民にとって当初は「手が出ない夢」だった物件も40年を経た現在は200万円~400万円、なかには100万円以下で購入できるという。そのためリモートワークが定着した現在は、定住目的のための若い世代の購入者も増えている。 5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ” しかし定住用として作られた物件に比べてリゾートマンションは、修繕積立金や管理費も割高になっており注意が必要だと、マンション管理士の松本洋氏。 さらに定住者とそうでない所有者との間で、これまでになかったトラブルも多発しているという。前編記事「いまや100万円以下の物件も…バブル期の「リゾートマンション」、安くても実は定住目的で「買ってはいけない」ワケ」に引き続き、その具体例を紹介する。
じつは定住には向いていない
「最近になって定住者が増えて、保養目的にマンションの訪れても大浴場が定住者に占領されてのんびりお湯につかって入浴できないという苦情が別荘の持ち主から届いている一方で、定住者からは1階に集合ポストを設置してほしいと要望も来ている。 現在は別荘の所有者が多い段階なので、トラブル回避と徴収金をこれ以上増やさないために、管理規約を改定して定住を禁止にできないだろうか。それが無理であれば、定住者に定住管理費として管理費を割り増しする規約に改訂したい。 加えて定住者には、駐車場も専用使用できる駐車区画を設けて月極駐車場として使用料を徴収できるように改正したい」 私が訪問した平日の午後3時頃は、『源泉かけ流しの大浴場』には誰もおらず、お湯だけがとうとうと溢れていました。洗い場の数は5~6箇所程度しかありません。ここに定住者が増えたら『芋を洗うような状態』が容易に想像できました。 駐車場には15~17台の車が整然と駐車されており、他県のナンバーの車は数台で、定住者が多いことが駐車場を見ただけで一目瞭然。広い敷地に区画の線もありません。 じつはリゾートマンションで定住するに日常的にかなり不便な面が多々あります。その一例として以下のような不具合が挙げられます。 ・一般的なマンションのような集合ポストがない ・専有部分やバルコニーに洗濯機置き場や物干しがない ・温泉付きのマンションでは、専有部分に浴室が設置していない場合もあり、共用部の大浴場を使用しなければならない ・かつ、深夜は大浴場を使用できないこともある ・駐車区画が決まっておらず無料の場合が多いが、駐車場契約書がないので車庫証明が取れない 郵便物においては常駐管理員がいればいいものの時間を気にせず受け取ることもできず、個人情報の観点からも危険です。さらに田舎ならばなおさら車の車庫証明が取れないのはデメリットでしかありません。