木更津総合、遠かった「あと1アウト」 勝負手が裏目 センバツ
第94回選抜高校野球大会は第7日の25日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦があり、木更津総合(千葉)は延長十三回タイブレークの末、3―4で金光大阪に敗れた。一度は勝ち越したが、最後は投手の金綱伸悟(3年)の制球が乱れ、逆転サヨナラ負けを喫した。 【全試合あります! 球児の熱い戦いを号外で】 ◇ サヨナラ勝ちを収めた1回戦に続く延長タイブレークで、木更津総合は一度は優位に立った。だが、67歳のベテランの五島監督が「経験値」に基づいて打った最後の勝負手が裏目に出た。 延長十三回のタイブレークで先に2点を入れ、迎えたその裏の守備。三振と死球で1死満塁となった後、3番手の金本が二ゴロを打たせた。二塁転送で2死を取り、さらに併殺が取れるタイミングだったが、遊撃手の一塁送球がわずかにそれた。勝利をつかみそこね、1点差に迫られて2死一、三塁となった。ここで、五島監督が動いた。九回途中から好投を続けていた金本に代わり、一塁の金綱をこの試合2回目のマウンドに送った。 金綱は八回から2番手で救援したが、思うような投球ができず、金本にマウンドを譲った。それでも五島監督は「このチームはずっと(先発したエースの越井と金綱の)2人でやってきた」。昨秋の新チーム発足後、この試合が公式戦初登板だった金本ではなく、修羅場をくぐってきた金綱の方が抑えられると計算した。 「今度こそ」と意気込んで2回目のマウンドに立った金綱だが、やはり本来の姿からはほど遠かった。「気持ちが前に出すぎて、ボールが抑えられなかった」と金綱。球がうわずり、連続四球を与えて同点。最後は押し出し死球でサヨナラ負けした。金綱は「楽しむしかないと思っていたが、自分の投球ができなかった。情けない」とうつむいた。 ベンチ入り18人のうち17人が出場する総力戦で臨みながら、最後に競り負けた。五島監督は「うちらしくない野球になってしまった」と悔やんだ。投手を中心に守りの野球を身上としてきたチームにとって、自らを見つめ直す惜敗になった。【川村咲平】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。