経営コンサルは「中小企業診断士」を取るべきか? (横須賀輝尚 経営コンサルタント)
『資格起業バイブル(横須賀輝尚 著)』
大企業に勤めていても副業が推奨される今、起業に興味を持つ人は増えています。そんな中、常に注目されているのが資格の取得。すでに資格を持っている人はもちろん、資格を取って独立したい人や資格に興味がある人に必読のQ&Aを、経営コンサルタントで士業(特定行政書士)でもある横須賀輝尚氏の著書「資格起業バイブル」から、再構成してお届けします。
■独占業務の有無は単なる法律のルール
『Q.独占業務のある資格は有利といわれましたが、独占業務のない資格は無意味でしょうか? 中小企業診断士を目指しています。診断士の話になると「独占業務がないから取っても意味がない」といわれますが、独占業務がない資格は取っても意味がないのでしょうか?診断士受験を考え直そうかとも思います。』 資格取得の前に、ひとつの判断基準となるのがこの「独占業務の有無」です。 独占業務とは、その資格を持っていないと、法的に行うことができない仕事のことをいいます。たとえば弁護士の裁判業務、税理士の税務申告業務などです。一般的には独占業務のある資格のほうが有利といわれているようです。 この「独占業務のある資格を選択すべきか否か」という議論の際、必ずといってよいほど槍玉に挙がるのが「中小企業診断士」という資格です。この資格は、経営コンサルティングの専門家となるための資格なのですが、国家資格であるにも関わらず独占業務がない数少ない資格のうちのひとつです。 なぜ議論の対象にされるかといえば、いうまでもなく独占業務のない資格なので、別の言い方をすればこの資格がなくとも経営コンサルタントになることができます。そのため、わざわざお金と時間をかけて診断士の資格を取る必要があるのか、という疑問が生じてしまうからです。 最近の論調は、「診断士の資格の有無にかかわらず、実力が重要」というものがほとんどです。この意見については、私も反論するところはなく、実際に経営コンサルタントとして成功されている方のなかには、診断士の資格を持ってない人も多数存在します。そのため、資格があろうがなかろうが、経営コンサルタントとしての力量、知識があれば成功できるというのが結論になります。