「パリで新しい暮らしを始めます!」お気に入りの我が家が窮屈になったワケ【Mamikoの住み替え備忘録】
さらに気に入ったのは、ヴァンセンヌの森と呼ばれるブーローニュの森に匹敵する大きさの森が、徒歩1分の場所にあること。引越し前までは森に対してなんの思い入れもなかったが、訪れるたび、自然あふれる環境が身近にあることの豊かさを実感した。特にコロナ禍の間は、この森を訪れ、心を整えることで本当に救われたと思っている。緑のある環境の素晴らしさを、この森が教えてくれたともいえるかもしれない。 こうしてとても気に入っていた我が家だったけれど、次第に窮屈になってきていた。最大の原因は、夫のコーワーキングオフィスがコロナ禍で閉鎖となってしまったこと、そしてYouTubeを始めたこと。一つ屋根の下で、仕事も私生活も、ずっと一緒の生活になってしまったからだ。 いやもう本当に厳しい。そもそもオフィス通いの仕事ならば、お互い日中別の場所にいて、違う空気を吸えて気分転換もできるはず(と思う)。しかし我が家はどちらも在宅ベースなフリーランス。24時間ずっと、同じ空間にいることになる。どんなに仲が良い人たちだって、ずーっと一緒にいるってちょっと気づまりではないだろうか? まして我が家は、どちらも気が強い二人。喧嘩にでもなれば、それはそれは大変な惨事に発展する。かといって「じゃあ、もう少し広い家に移ろう」と思っても、日本みたいには簡単に引越しができないのが辛い(これについてはまた後日説明したいと思う)。 でも、ずっと願っていれば望みは叶うものなのかもしれない。この家の状況、どうにかならないかしらと日々これ考え続けていたら……ある日突然、次なるステップがやってきたのでした。 井筒さん撮影/Yas
井筒 麻三子