晩秋だが台風襲来はある!10月も統計上ではまだ台風シーズン 過去には11月に台風上陸や竜巻被害の発生も
寒冷前線にも注意 北海道佐呂間町竜巻災害(2006年11月7日)
晩秋に起こる気象災害の1つに竜巻がある。2006年11月、北海道の佐呂間町で発生した竜巻は、日本国内での竜巻災害の中でも特に甚大な被害をもたらした。 この竜巻は、寒冷前線が通過する際に発生し、9人の死者を出す大惨事となった。建物が倒壊し、大型トラックが吹き飛ばされるなど、竜巻の威力がいかに凄まじいかを示す出来事だった。 佐呂間町の事例では、竜巻が発生する前兆となる雲の動きや突風などがあったものの、発生から被害が広がるまでが非常に短時間であったため、事前の避難や対策が間に合わなかったとされている。 竜巻は短時間で発生し、激しい突風が狭い範囲を襲うため、予測が難しい。このため、日常的な備えが重要になってくる。竜巻が発生するような発達した積乱雲の近づく兆しを見逃さないようにしよう。 また、気象庁が発表する「竜巻注意情報」をこまめにチェックし、竜巻の発生が予想される場合は、外出を控えるか、早めに頑丈な建物に避難するなどの対策をしよう。家の周りに飛散しやすい物がある場合は、あらかじめ固定したり、屋内にしまったりしておくことも必要だ。 冬が近づいている晩秋といえども、台風による暴風や大雨、竜巻などの激しい気象現象が発生し得ることは、過去の気象災害から見ても明確である。また、このような災害は個々の対策だけでは防ぎきれないことが多いため、地域全体での協力体制や、国や自治体からの支援が不可欠だ。 そして、気象災害は毎年のように発生するため、常に最新の情報を把握し、適切な行動を取ることで、被害を最小限に抑えることができる。 【執筆:日本気象協会】
日本気象協会