中国とマレーシア、貿易・経済関係の強化で一致-両首相が会談
(ブルームバーグ): 中国とマレーシアは貿易・経済関係を深め、主要プロジェクトの建設を促進していくことで一致した。中国の李強首相が18日から3日間にわたりマレーシアを訪問している。
マレーシア首相府は19日、両国が2028年までの経済貿易協力計画に合意したと発表した。また、両国間で相互のビザ(査証)なし入国を進める政策を強化するため、ビザの追加免除について協議するという。
中国国営の新華社通信によると、中国はマレーシア東海岸鉄道計画(ECRL)のような主要プロジェクトの建設推進でマレーシアと協力することに前向きだ。
中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の一環であるこの500億リンギット(約1兆6800億円)規模のプロジェクトについて、マレーシアはタイとの国境近くまで延長することを検討している。
新華社によれば、マレーシアのアンワル首相と李首相はまた、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国は南シナ海問題を独自に処理すべきだという点でも合意した。
ベトナムとフィリピン、ブルネイ、マレーシアのASEAN加盟国に加え、台湾が南シナ海での領有権を巡り中国と争っている。
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中国首相のマレーシア訪問は2015年以来。米国との対立が激化する中で、中国政府は中立を主張するマレーシアとの関係を深めようとしている。
アンワル首相はマレーシアを米中両国からの投資先として位置付けており、世界的なサプライチェーンが大きく変わろうとする中で少なくとも250億リンギットを投じて半導体産業を支援すると表明している。
アンワル首相はX(旧ツイッター)に「李首相と私は、両国間の深い絆と友好関係をさらに強化する重要性で一致した」と投稿した。
首相府の発表によると、マレーシアと中国は両国間のスムーズな物品移動を確保することを目的とした共同作業部会を設置する。デジタル経済やグリーン開発、ドリアンの対中輸出などに関する覚書も交わされた。