イランのミサイル180発、イスラエル首相「3500億円が無駄に使われた」…再報復けん制
【エルサレム=福島利之】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は12日、イラン国民向けに英語でビデオ声明を出した。「さらなるイスラエルへの攻撃はイランの経済を台なしにするだろう」と警告し、イスラエルへの再報復攻撃を計画するイランに自制を求めた。
ネタニヤフ氏は、イランがイスラエルに向けミサイル180発以上を発射した10月1日の攻撃について、「23億ドル(約3500億円)かかった」と指摘した。「成果のない攻撃にあなたたち(イラン国民)の貴重なお金が無駄に使われた」と呼びかけ、「(イランの最高指導者)ハメネイ師の体制はイスラエル以上にイランの国民を恐れている」と挑発した。イランに揺さぶりをかけるのが狙いとみられる。
一方、イスラエル軍は12日、レバノンの首都ベイルート南郊ダヒエ地区を空爆し、イスラム教シーア派組織ヒズボラの武器庫やミサイル製造施設を破壊したと発表した。五つの住居棟の地下に施設が隠されていたと主張している。住民には事前に警告し、避難させたと説明したが、レバノン保健当局は少なくとも12人が殺害されたと発表した。
イスラエル北部ナハリヤでは12日、ヒズボラのロケット砲攻撃を受け、2人が死亡した。