中国、景気刺激策として地方政府に6兆元債務スワップ容認も-関係者
(ブルームバーグ): 中国は地方政府に対し、主に簿外債務の借り換えを目的として、2027年末までに最大6兆元(約125兆円)の債券発行を認めることを検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。景気刺激策の重要な一角を成す計画だとしている。
当局が議論の俎上(そじょう)に載せているのは、地方政府が資金調達事業体などを通じ借り入れたいわゆる「隠れ債務」を、より低い金利の新たな公債に置き換える案。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。
こうした地方債の発行は、経済成長率目標(5%前後)の達成と金融リスクの緩和に向け藍仏安財政相が12日に概要を示した対策の一部になるという。
債務スワップは、中央政府の追加借り入れや消費喚起策を求める市場の期待に沿うものではないが、地方政府の職員給与や建設プロジェクトなどあらゆる支出に充てる資金の確保に寄与する。
財政省は、ファクスで送付したコメント要請には回答しなかった。
中国メディアの財新は先に、地方政府ではなく中央政府が超長期の特別国債を向こう3年間で6兆元発行する可能性があると関係者の話として報じていた。
地方政府の債券発行計画に詳しい関係者によると、国債の発行額はまだ決まっていない。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の曲天石エコノミストは、「これだけでは十分ではないだろう。15-18年の同じような債務交換プログラムを基にし住宅市場の相場急落が地方財政に与えた影響を踏まえると、地方政府が隠れ債務に対処するには6兆元を超える資金が必要になる」と指摘した。
原題:China Weighs $853 Billion Debt Swap to Rescue Local Governments (抜粋)
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