「誰一人取り残さない」熊本豪雨の被災者支援をする人たちの思い
熊本県南部の豪雨災害で、「一人も取り残さないようにする」という方針を持って活動している支援団体があります。災害で取り残されやすいのは、高齢者や子どもたちだけではありません。ベトナムなどから熊本に来ている農業技能実習生など、日本語に不慣れな外国人が、災害・避難情報のキャッチが遅れ取り残されがちになっていると言います。一人も取り残さないためにどのような対応をされているのか、最前線でSDGsの精神でさまざまな支援を続けるコミュニティ財団と、災害時の外国人サポートをしている支援団体に話を聞きました。(Yahoo!ニュースVoice編集部 取材日2020/7/16)
被災地の外国語コミュニケーション
千田さん(一般社団法人「Kuma Visit」代表理事): 今回、災害が起こってWi-Fi環境にない、電気が使えないというそういった避難所であるとか被災地に関しては、実はアナログの物というのは価値があるんじゃないかと改めていま思っています。 林さん(「くまもとSDGs推進財団」専務理事): 水が欲しいのに頼めないとか、日本語がしゃべれないと頼めなかったりするじゃないですか。(「指差しシート」は)たとえば水が欲しいだったら(シート上の)水が欲しいってところを押したりとか、これは何を使ってますか?とか、そういうのを指で会話をできるようにしたシートですね。 千田さん: それで最初に始めたのは、日本語と英語の阿蘇のロードマップというのを作成するということを始めました。日本語だけのマップ、英語だけのマップはあるんですけれども、日英両方が併記してあるマップが少なくて、そうすると英語しかわからない人、日本語しかわからない人が、その一枚のマップを見れば両方の人で指し示して道案内ができる。 林さん: 千田さんのロードマップがすごいのはですね、地震の時って今回の水害もそうですけど、土砂崩れがひどくてですね。あそこは通れない、ここは通れない、あそこは通れるぞみたいな情報の錯綜があって。そこに対して、千田さんがリアルタイムというか、何回も何回も改訂をしながら、ここは通れますっていうのをしっかり示されたんですよね。それで海外の方が阿蘇に行けた、阿蘇を観光できたというところが、すごく価値を出されたなと思っています。 千田さん: (マップを見せながら)こういった感じのものなんですけれども、通れないところが赤、通れるところがグレーなんですけれども、これを4年間の間に5回ぐらい改訂をして。改訂ってプリントだと限られる、タイムリーにできないので、Facebookとウェブサイトでやっておりました。 林さん: これを民間でやられるというのがすごいと思うんですよね。行政でもなく頼まれたわけでもなく、本当に必要だと思われて、リードされてやられたというのがすごいなと思ってました。