「誰一人取り残さない」熊本豪雨の被災者支援をする人たちの思い
「くまもとSDGs推進財団」が災害支援とは?
林さん: 一言でいうと、「誰も取り残さない」と、「誰一人取り残さないということ」だと思うんですね。逆に言うと、誰が取り残されているのかなというのを見ていくと、社会的弱者って言われる方々がもうすでに取り残され始めています。発達障害者の方、高齢者の方、一人親世帯、もともと生活困窮の方が、より仕事がなくなってというふうなことが顕在化してきています。外国から来られている技能実習生の方々だったりするんですね。そういう方々が、確実に情報弱者でありそういう緊急時に困られるっていうのはもう目に見えていますので、そこをちゃんとサポートする。そこを取り残さないということが、このSDGs的な視点での支援かなというふうに考えています。
多言語対応の案内を始めた理由
千田さん: フランスからいらした方が「熊本はつまらない」と。そう思われて東京に行ってしまわれたんですけれども、おそらくそれは熊本の魅力が外国語で発信されてないからではないかっていうふうに思いまして。もともとは観光情報を発信するつもりだったんですけれども、2016年4月に熊本地震が起こってしまいまして、熊本地震当初はもう観光どころではないと。まずは、避難情報であるとかっていうのを発信し始めたんです。
これからの災害とその備えについて
千田さん: 災害が起こった時、日本語が母語でない方の不安を取り除くということの重要性っていうのをすごく大きく感じたんですね。4年前よりも、先ほど林さんが話してくださったように技能実習生が非常に増えている。なので、熊本に来て生活をして、でも不安なく過ごせたというための情報を発信していきたい。熊本に来て良かった、いろんな経験はしているけれどもここにいて安心できる、支えてくれる組織がある、手段があるっていう、そういった思いをしていただけるような活動をしていきたいと4年間思っておりました。 これから地震は日本全国どこで起こるかわからないのだと思います。東京の方でも水害が大変な時がありましたけれども、避難所に行った時に誰もが受け入れてもらえる、みんなが受け入れてもらえる、インクルーシブ、「排除されない避難所」っていうのを作っていく、準備しておく必要があるんじゃないかと思います。