ICC逮捕状請求に猛反発 イスラエル「正当な戦争」
【エルサレム共同】イスラエルのネタニヤフ首相は20日の動画声明で、国際刑事裁判所(ICC)のカーン主任検察官がパレスチナ自治区ガザ情勢を巡る戦争犯罪などの疑いで自身らの逮捕状を請求したことを「ばかげている」とし、猛反発した。ガザでの戦闘は昨年10月のイスラム組織ハマスの奇襲攻撃を受けた自衛のための「正当な戦争だ」と改めて訴えた。 歴史が生んだ「世紀の難問」…イスラエル、パレスチナの争いはなぜ始まった 共同通信記者が基礎から解説
イスラエルはガザへの物資搬入を厳しく制限し、ガザでは餓死者が出るほど人道危機が深刻化。死者は3万5千人を超えた。カーン氏は逮捕状請求の理由として「戦争の方法として飢餓を利用した」と指摘。ネタニヤフ氏は民間人被害を防ぎ、人道支援を届けるため「前例のない措置」を講じていると主張した。 ICCの予審判事部が逮捕状発行の是非を判断するが、数週間から数カ月かかるとの見方がある。カーン氏はほかにガラント国防相や、ハマスのハニヤ最高指導者ら3人の逮捕状を請求した。イスラエルはICC非加盟国だが、逮捕状が発行された場合、ネタニヤフ氏らがICC加盟の124の国と地域を訪れれば逮捕される可能性がある。