あなたにとってのシティボーイとは?Vol.2
編集者 井出幸亮にとってのシティボーイ
生粋のシティボーイなのに「I’m just a country boy」と歌った男。’60sロンドンのモッズ・ヒーロー、スモール・フェイセズ一の洒落者だった静かなるベーシストは後身バンドのフェイセズで大成功を収めるも、権力争いが嫌いな性格からロックスターの座を捨て脱退。稼いだ金を夢だった「移動スタジオ」に注ぎ込み、テント小屋で各地を巡る旅芸人一座を結成する。しかし大好きな古きよきアメリカン・トラッドを気ままに奏でる興行は失敗、難病の多発性硬化症に侵されてしまう……過酷な後半生の中でも、いつもイナタい3ピースのスーツで決め、笑顔でほのぼのとした歌を聴かせたロニー。何かに憧れ、その道程で自分を知る、それがシティボーイ・ライフだと思う。 illustration: David Sparshott, edit: Ryoko Iino(2016年6月 830号初出)
POPEYE Web