【体験格差】経済的に厳しい家庭の小学生約3分の1人が、直近1年間で学校外の体験機会がない現実
【体験格差】経済状況で左右されてしまう「子どもの体験」
先にお話ししたように、文部科学省による「子ども時代の体験が成長にどのように影響するのか」を分析した結果、子ども時代の体験を通じて育まれる意識や感情があることがわかりました。 しかし、学校以外での体験は、家庭の教育方針そして経済状況にも左右されます。 経済的に余裕があれば子どもの成長にプラスになる習い事に通わせることや家族旅行、自然体験と小学生時代に色々と体験させられます。 しかし、経済的に厳しい家庭の子は学校での行事のみになりがちで、習い事を含めて休日や長期休暇に特別な体験をさせることが難しいです。 筆者の子ども時代もそうでしたが、家計が厳しいと外食などがかかるので、基本的に休みの日はお金のかからない図書館で半日過ごすか、家で過ごすか近所のスーパーに買い物に出かけるくらいでした。 平日の放課後の過ごし方も親世代の頃とは随分と変わりました。皆が公園で集まって体を動かして遊ぶ機会も減っています。ゲーム機を持ち寄って遊んでいる子の姿も珍しくありません。 また、学童保育で過ごしている子の中には曜日によって学習塾やスポーツや音楽系の習い事をして過ごす子もいます。「みんなで集まって遊ぶ」が難しい時代となり、習い事、家族で遠出する回数の違いと平日休日問わず子ども達の間の体験の差が広がっています。
【体験格差】経済的な問題に左右されにくい「体験」を積むには、親が積極的に情報収集する
子どもが何かしらの体験をするには多少なりともお金が発生することがあります。しかし、お金のせいと諦めてはいけません。 経済的な問題に左右されにくい「体験」を積んでいくには親が積極的に情報収集することが必要です。 まず、子ども向けの体験ができるイベントを探していきましょう。インターネット等で簡単に検索できるので、以下のような気になるイベントがないかチェックしてみてください。 ・自治体が主催する自然体験教室など ・地域のNPOが運営する体験型イベント ・企業が関わるイベント ・子ども支援団体が提供するプログラム このほかにも児童館や公民館に置いてあるイベント開催を伝えるポスターやイベントにも目を通してみるのもおすすめです。地域密着型でボランティア活動や歴史を学ぶ講座など様々なイベントを開催している団体があるからです。 子どもにプラスになるイベントを探し、参加できそうなものには申し込みをしてみましょう。 そして、普段の生活の中でもできることはあります。家庭菜園や親子で料理を作ることも立派な体験です。そして、近隣の図書館や科学館など無料や安価に利用できる施設に足を運び、費用を抑えて親子で文化的体験もできます。 物価高を気にせず、身近なところでできる「体験」も立派な体験です。お金に余裕がないことで全てを諦めず、子どもが楽しめる施設に出向いてみましょう。自治体の文化施設では夏休み期間中には子ども向けのイベントを開催するところも多いので、日程を確認するのもおすすめです。