「國學院大はエース平林だけじゃない」全日本駅伝MVP「もう一人の男」山本歩夢の“夢”…箱根駅伝「1区区間賞で同期・平林にタスキ」で初優勝・三冠へ
本当は自分だって目立ちたい
今は主将を支える副主将の立場でもある。ストイック過ぎる平林が厳しい口調で後輩を叱咤すれば、優しくフォローするのは山本の役目。お互いの性格を理解しており、役割をうまく分担してチームをつくってきた。今年度はすでに出雲駅伝、全日本大学駅伝と2冠を達成。残すところはあと1つ。最後の箱根駅伝に懸ける思いは、誰よりも強いと自負する。 「復路よりも往路を走りたい。そのためには、後輩の青木瑠郁(3年)、辻原輝(2年)たちにも勝たないとダメですよね。本当は僕だって目立ちたいです」 冗談まじりに笑うが、目は本気だった。中継ぎエースでは満足できない。夏合宿でも口にしてきた思いがある。 「1区で区間賞を取って、平林に襷をつなぎたい」 シーズン当初から掲げている目標は、箱根駅伝の総合優勝。伊勢路では青学大をとらえ切れず、区間2位で悔し涙を流した平林とともにそろって区間賞を取り、初制覇に貢献する――。2人が思い描く最高のシナリオで締めくくるために、山本はうれし涙を取っておいているようだった。<つづく>
(「箱根駅伝PRESS」杉園昌之 = 文)
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