性能も値段も上がった新iPadの登場で、タブレットの選び方を見直す時が来た
一方で価格に関しては、やはり円安の影響もあって価格が高騰し、落胆を招いたことも確かです。実際、第6世代iPad Airは11インチモデルの最も安い構成で98,800円と、ほぼ10万円というべき価格。第7世代iPad Proに至っては、同じ11インチモデルの最安構成で168,800円からと、一般消費者が手を出すのは難しい価格であることが分かります。 ですが、よくよく考えると、アップルはiPad AirとiPad ProにMacと同じ「M」シリーズのチップセットを採用するようになっており、性能も利用用途もMacと大きく変わらなくなっています。それゆえ、比較対象も他社のタブレットデバイスではなく、10万円を超える「MacBook」シリーズなどとなりつつあるのも確かです。 そうしたことを考えると、これら今回発表された新機種は、これまでタブレットの主な用途とされてきた動画などのコンテンツ視聴や、WebサイトやSNSの閲覧などといった用途には性能が高すぎるので、必然的に値段もミスマッチになってきていると見ることもできるでしょう。 ■用途が限られているならタブレットの乗り換えは容易 では、従来通りの用途のために選ぶべき製品は何かといいますと、iPadシリーズではやはり、下位モデルに位置付けられる「iPad」が妥当かと思います。とりわけ、今回の新機種投入に合わせ、現行モデルとなる第10世代iPadは最安構成で価格が58,800円に引き下げられ、購入しやすくなっています。
ただ、アップル製品の値上がりが著しい現状、利用用途が動画視聴やWeb閲覧などに限られるのであれば、そもそもアップル製のデバイスを選ぶ必要があるのか?ということも今後は考えていく必要があるでしょう。なぜなら、多くの人が利用している「YouTube」や「Netflix」などの動画サービスや、各種SNSのアプリの利用にはアップルのIDが必ずしも必要ではないので、Androidベースのタブレットでも十分対応できるからです。 パーソナルな情報を多く含むiPhoneから、Androidスマートフォンに乗り換えるハードルは大きいですが、タブレットでそうしたアプリさえ利用できればよいのであれば、iPadからの乗り換えはかなり容易です。しかも、Androidタブレットは製品の種類が多く、価格の幅も1万円台から10万円超と非常に広く選択肢が多いので、手持ちの資金と用途に応じたものを選びやすいのもメリットでしょう。 一方で、Androidタブレットは価格が安いものを選んでしまうと性能がとても低く、操作に不満が残りやすいという課題もあります。それだけに、一定の性能を備えながらも、手ごろな価格を実現するタブレットの投入に力を入れるメーカーもあり、その1つが中国のシャオミです。実は、シャオミも2024年5月にいくつかのタブレット新製品の国内投入を発表しているのですが、そのいずれもが高い性能を備えながらも価格を抑えた、コストパフォーマンスの高いモデルとなっています。 その1つは、シャオミのブランドの1つ「POCO」から6月中旬以降に発売予定の「POCO Pad」です。こちらは12.1インチのディスプレイを搭載し、チップセットにクアルコム製のミドルハイクラス向けとなる「Snapdragon 7s Gen 2」、そして8GBのRAMを搭載しながら、価格は44,800円。安さを実現するため、販路が基本的にオンラインに限定されているという制約はありますが、操作に不満の出ない十分な性能を持ちながらも第10世代iPadより安価です。