中学生に逮捕者 「失神ゲーム」はなぜ危険なのか?
海外では死亡例も
2008年、アメリカのCDC(疾病予防管理センター)は「失神ゲーム」に関するレポートを発表しました。過去の新聞記事などを調査した結果、アメリカでは1995年から2007年の間に、少なくとも82人の子ども(6歳から19歳)が失神ゲームによって死亡した可能性がある、としています。(詳細はグラフ) 学校で流行っていた失神ゲームを自宅の部屋などで行い、呼吸停止状態に陥った結果、誰にも発見されることのないまま亡くなってしまったケースなどが報告されています。
どう対策すればいい?
今回の新潟のケースでも分かる通り、他人に対して失神ゲームを強制したり、それに加担したりすると、傷害罪などに問われる可能性があります。2006年に埼玉県で中学生が逮捕された事件では、けがをした男子生徒が、ゲームに参加した子どもとその親に対し損害賠償を求める訴訟に発展したと報じられました。 しかし実際にゲームに参加する子どもは、このような法的なリスクや、脳へのダメージなどについて知らないまま行っているケースも多いと考えられます。いったい、どのように対処すればよいのでしょうか? 前述の調査を行ったアメリカCDCによると、失神ゲームによって命を失った子どもの両親のうち、9割以上が「ゲームの存在について知らなかった」ことがわかりました。 その結果を踏まえ、CDCは「両親や教育者、そして医療関係者は“失神ゲーム”について知識を持ち、そして子どもたちに下記のような“サイン”があった場合、それに気づけるようになるべきだ」としています。 *「失神ゲーム」(別の名前の場合も)について口にした *目が血走っている *首にあざなどがある *頻繁に激しい頭痛を訴える *一人で過ごした後に、方向感覚を失っていることがある *ベルトやスカーフなどが、ベッドや家具に結びつけられている 上記のサインはアメリカの状況を反映しているため、すべて日本のケースに当てはまるとは言えないかもしれません。 しかし、少なくとも、子どもが失神ゲームについて口にしたり、そのような動画を見ているような痕跡があったりしたら、それに注意深くなるべきでしょう。そして、失神により脳に与えられるダメージや、それによる法的なリスクについて、適切な情報を共有できるように心がける、ということが欠かせないのかもしれません。