5季ぶりの王座奪還狙ったパナソニックパンサーズ 名将ティリ監督「船の色んな所に穴が空いていた」
第1セット途中で"ゲームチェンジャー”西田投入も挽回できず
パナソニックの試合前の注目ポイントの1つだったのが、西田と西山のどちらをスタメンに選ぶかだった。リーグ戦終盤をケガで欠場していた西田は、準決勝のJTサンダーズ広島戦2日前に練習に復帰。JT戦ではスタメンが西山、各セット途中交代で西田が起用されていた。一方、西山は、リーグ終盤の西田のケガに伴い、スタメンに抜擢され活躍を見せており、準決勝でも十分な活躍を見せていた。 現時点で見れば、西田の方が実力も経験も圧倒的に西山より上だ。ただ、リーグ終盤戦や準決勝で結果を残していた西山を、ティリ監督は報いる形で決勝のスタメンに選んだ。ティリ監督は試合後の会見で「今シーズン良いプレーをしていた。レギュラーラウンドで安定したプレーをしていた。西田がどれくらいプレーできるかわからなかったからこそ、スタメンに西山を入れた」と理由を明かし、同時に「西田には試合前に、出る時は最後まで出るつもりであってほしいと伝えた。西田は試合を変えるゲームチェンジャーだからこそ、西山をスタメンに入れた」と話した。 試合後、悔し涙で目を腫らしていた西山はスタメン抜擢に対し、「他の人より先に、スタートから出すというのは監督から聞いていたので、自分の気持ちを作ったりとか早くはできていた。ファイナルでも出られるというのが自信に繋がったというのはありました。結果的に見たら、自分のプレーを信用してもらったのを裏切ったので悔しい」と話していた。 西山にとって気の毒だったのが、西山個人のパフォーマンスというより、第1セットはジェスキー、大塚などパナソニック全体の攻撃がサントリーの守備戦術を前に思うように決まらなくなっていたこと。そこで、攻撃の爆発力があり、チームの雰囲気だけでなく会場の雰囲気をも一気に変えられる「ゲームチェンジャー」の西田を出さざるを得ない状況になってしまった。西田は第1セット途中から第3セットまで、アタックが決定率69.6%で16点、サーブが1点、ブロックが1点の計18点とチームを引っ張ったが、武器のジャンプサーブが思うように決まらなかったりと、試合勘の影響も垣間見えた。