5季ぶりの王座奪還狙ったパナソニックパンサーズ 名将ティリ監督「船の色んな所に穴が空いていた」
バレーボール男子V1リーグの決勝が3月31日、東京・有明コロシアムで行われ、2018・2019年シーズン以来のリーグ優勝を狙ったパナソニックパンサーズは、サントリーサンバーズに0-3(18ー25、35ー37、19ー25)で敗れ、天皇杯との2冠とはならなかった。日本代表のエース西田有志(24歳)は「レギュラーラウンド(RR)で優勝した力を出せずに終わった。それがチームの現状。過程が良くても結果が良くなければそっちがフォーカスされてしまう。決勝の一発勝負で負け、チームとして悔いが残るが、自分たちがやってきた形がこうなってるだけ。次につなげるためのきっかけになれば良い」と振り返った。現行のリーグは今大会で最後。今秋からは新しく「SVリーグ」が始まる。フィナーレにふさわしいハイレベルな展開に、9544人の観衆は大盛り上がりだった。
リーグ戦19連勝もシーズン終盤に主力のケガから歯車の狂い
日本代表7人とアメリカ代表1人を抱えるスター軍団パナソニックが、同じ大阪が拠点のライバルであるサントリーの前に屈した。パナソニックは19連勝するなど32勝4敗という成績でRR1位を決めていた。しかし、リーグ終盤に西田のケガによる離脱をきっかけに、歯車の狂いが生じ、最終的に決勝では名将ティリ・ロラン監督の采配にも迷いが生じてしまった。 ケガ明けの西田は前週の準決勝に引き続きベンチスタートとなり、攻撃の要であるオポジットは21歳の西山大翔がつとめた。 第1セット、サントリーがサーブでアメリカ代表ジェスキー・トーマス(30歳)を徹底的に狙って攻撃の一角をつぶし、そして組織的なブロックと粘り強いディグ(レシーブ)で、パナソニックの攻撃陣を押さえ込んだ。途中で西山と西田を交代し、状況打開を図るもそのまま第1セットはサントリーが先取した。 第2セット、西田がスタートからコートに立ちベスト布陣で臨んだ。このセットは両チームとも守備面での見せ場が多いセットとなった。パナソニックに所属する日本代表アウトサイドヒッターの大塚達宣(23歳)や日本代表リベロ・山本智大(29歳)が、サントリーの元ロシア代表で220cmの大砲ムセルスキー・ドミトリー(35歳)や今年度の日本代表に選ばれたデ・アルマス アライン(23歳)の強打を何度も拾えば、サントリーも元日本代表の藤中謙也(30歳)や日本代表リベロ・藤中颯志(24歳)の藤中兄弟を中心にパナソニックのアタックを何度も拾い続けた。デュースが続く大接戦となったが、サントリーがセットを連取した。 その後もサントリーの勢いは止まらず、第3セットは終始サントリーペースで進み、最後はムセルスキーがスパイクを決め、サントリーが2シーズンぶり10度目の優勝を決めた。パナソニックは2018・2019年シーズン以来の優勝を狙ったが、あと一歩及ばなかった。