なぜW杯でアジア勢はひとつも勝てなかったのか
国際Aマッチデーに親善試合を組み、強化を図っていく上でも、アジアは常に地理的なハンデを背負わされてきた。日本も代表発表前における最後の強化試合となる3月5日に、国内でニュージーランド戦を組んだことで少なからず議論が沸き起こった。海外のクラブでプレーする選手が増えるほどに、強化試合に臨む前のコンディション調整で諸問題が発生するジレンマも抱えてきた。 アジア・サッカー界が数年に渡って溜めこんできた「ツケ」が、ブラジルの地において一気に表面化。その結果としてもたされた「未勝利での全滅」は、ワールドカップの出場枠削減→シビアな戦いが増える→必然的にレベルが上がっていく、といった流れを生み出すことを含めて、アジアが晴れてアウトサイダーから脱却していくためのターニングポイントとなってくるかもしれない。 (文責・藤江直人/スポーツライター)