日銀が今「難解なYCC柔軟化」に踏み切ったシンプルな理由
専門家の間でも見方の分かれる「YCC政策」の修正。ただ、日銀の立場に立って考えると、今回の会合で修正に踏み切った理由が見えてきます(写真:ブルームバーグ)
7月28日に日本銀行が発表したYCC(イールドカーブ・コントロール)政策の「柔軟化」はサプライズだった。そして、それをどう解釈すべきかという点においては、「金融政策の正常化に向けた第一歩だ」というものから「単なる技術的な修正だ」というものまで、大きく見方が分かれている。 通常、中央銀行は短期金利を操作対象にして金融政策の運営を行い、長期金利については市場動向に任せる。ところが、日銀は2016年9月から短期金利だけでなく長期金利も操作対象としている。それがYCC政策だ。長期金利(10年国債利回り)は「ゼロ%程度」を中心に±0.5%のレンジで誘導されていた。
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新見 未来