早大、タイブレークを制し決勝進出!小宮山監督「お客さんが見てしびれる試合をしたい」
全日本大学野球選手権 準決勝 ● 東日本国際大 3 - 4 早稲田大 ○ (延長10回タイブレーク) 早稲田大が延長10回タイブレークを制し、決勝進出を決めた。 序盤は東日本国際大の左腕・磯前凛(4年・郡山商)と早稲田大の右腕・伊藤樹(3年・仙台育英)、両先発の投げ合いに。5回裏、東日本国際大は7番・三井颯大(2年・聖望学園)のチーム初安打となる右前打をきっかけに一死二・三塁のチャンスを迎えると、1番・黒田義信(2年・九州国際大付)が、伊藤の138キロのストレートを捉え、左越えの2点適時二塁打で先制した。 追う早稲田大は、6回表、一死一・二塁のチャンスを作るが、1番・尾瀬雄大(3年・帝京)が初球バントをファウルにするなど追い込まれた中、強攻に出るも右飛。続く2番・山縣秀(4年・早大学院)も送りバントを試みるも投ゴロで三塁封殺に。二死一・二塁となり、好機を逸するかと思われた矢先、3番・吉納翼(4年・東邦)が、東日本国際大の2番手・藤井優矢(4年・角館)の143キロストレートを捉え、右翼席中段へ逆転の3点本塁打。3-2と早稲田大がリードを奪った。 しかし、直後の6回裏、二死三塁のピンチを招いた早稲田大・伊藤の暴投で3-3の同点に。9回で決着はつかず、無死一・二塁、継続打順で行なう延長タイブレークへ突入した。 延長10回表、早稲田大は1番・尾瀬が四球を選び、2番・山縣は遊ゴロで一死満塁。3番・吉納が東日本国際大・藤井から左犠飛を打ち上げ、4-3と1点を勝ち越す。 9回から登板していた早稲田大の3番手・安田虎汰郎(1年・日大三)が10回裏もマウンドへ。東日本国際大は、先頭の3番・佐藤紅琉(3年・明秀学園日立)でエンドランを仕掛けたが、佐藤は右飛に倒れ、スタートを切っていた二走・黒田は帰塁できず併殺に。延長10回の死闘を制した早稲田大が、決勝へ進出。これで16日の決勝は、青山学院大と早稲田大の対戦となった。 ▼早稲田大・小宮山悟監督 「(延長10回裏は)ふつうに考えたらあれでダブルプレーを取れるとは思えないから。それが2つ取れた。これはもう、野球の神様が”早稲田、勝ちなさい”と言っているようなものだなと思った。実は大会が始まる前に鍛治舎先輩(青山学院大主将・佐々木泰内野手の恩師で県岐阜商・鍛治舎巧監督)のところに”決勝でできれば青学とやりたい”という連絡をしたら、”そう願っています”と。教え子よりも母校ということは、よーくわかったメールでしたから。(決勝は)お客さんが見てしびれる試合をしたい」 ▼早稲田大・吉納翼外野手 「(一時逆転の本塁打は)1点ずつという気持ちだけで打席に立った。ホームランを狙ってとかはまったくなくて、4番にいいバッターがいるので、1点、1点で早稲田らしい野球をやっていこうと心掛けていた。これまで野球人生の緊迫した場面で3ランを打ってきているイメージがあるので(東邦高2年時センバツ準決勝で3点本塁打)、”3ラン男”なんじゃないかなとあらためて思った。(決勝の犠飛は)とにかくホームランを打った時と変えず、相手がどう、とかではなくて、早稲田の野球をやる、ということを初回から最後のアウトを取るまでやっていたので。それがうまく結果に結びついたと思う」 ▼東日本国際大・藤木豊監督 「(走塁)ミスはないです。バッターのミスです。(下位打線に)下りるんで、打順が。仕掛けてやろうかと。動いても何をしてもそういう時は駄目なんですよね。初球のストライクをバント見逃ししたのがすべて」 ▼東日本国際大・黒田義信内野手 「ウチはチームカラーで、足でかき回す、みたいな感じなので。結構、リーグ戦でもエンドランとかが結構出ていた。バッターが対応できなかったのがダブルプレーとなった。攻めた結果ですけど、そこを詰めていかないと、(東京)六大学という強いチームには勝てない。一試合一試合重ねるうちにチーム力が上がってきて、強くなってきているなと思っているが、ここぞという時に一打が出ない。そこをもうちょっと詰めていかないといけない」。 (取材・ニッポン放送アナウンサー洗川雄司)
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