SNS批判殺到!なぜびわ湖毎日マラソンの号砲は鳴らなかったのか……そして大雨仕切り直しはレースに影響を与えたのか
東京五輪の最終選考レースである。 昨年9月のMGCのスタートも数秒遅れたが、極寒の雨天での10分間遅れとなると話が違ってくる。MGC4位の大塚祥平(25、九電工)は、スタート位置についてもギリギリまでレインコートを身に着けたままにして極力体温が落ちることに気を使っていた。体温が下がることはイコール体力を失うことにつながるのである。 さらにスタートが遅れることになれば、残り800万円しかなく、「早いもの勝ち」で配られることになっていた好記録に対する日本実業団連合からの報奨金を9時10分にスタートした名古屋ウィメンズマラソンのランナーに取られてしまうことにもなりかねなかった。 9時25分。やり直しスタートでは無事に号砲が鳴ったが、さらにアクシデントが起きる。1キロ3分00秒、ゴールは2時間6分35秒に設定されていたペースメーカーが入りの1キロを3分11秒、次の2キロまでのラップも3分7秒と遅れ、予定のペースを維持できなかったのである。 これではまずいと思ったのか。2.4キロあたりで、外国人招待選手のサムエル・ドゥング(31、ケニア)と、スティーブン・モコカ(35、南アフリカ)の2人が前に出て、ペースメーカーをけしかける”無言のアピール”をしたほど。 ようやく2キロから3キロを2分58秒、3キロから4キロを3分03秒とペースアップしたが、ペースメーカーの”エンジン”がスタートから温まらなかった原因は、3分間以上も号砲が鳴らず体が冷えたことにあったのかもしれない。 1キロ3分フラットでも大迫の持つ日本記録には届かないペース。しかも、天候が最悪なのだから、なおさら手痛いミスだった。 川内は10キロ過ぎで早くも先頭集団から遅れ、2時間14分33秒の25位に沈んだ。 「いい状態ではスタートできたんです。5キロまではよかった。そこまでは対応できた。そこからのペースの変化に対応できなかっただけ」 川内は、ペースアップについていけなかっただけで、”敗因”は、スタートのやり直しのせいではないという。