トランプ新政権のエネルギー長官、地球温暖化問題の存在を否定する採掘会社CEO起用へ
【ワシントン=田中宏幸】米国のトランプ次期大統領は16日、エネルギー長官に石油や天然ガスの採掘会社を経営するクリス・ライト氏を起用すると発表した。バイデン政権が進めた気候変動対策を批判する人物として知られる。上院の承認を得て就任すれば、石油などの化石燃料の増産を主導する見通しで、政策の大転換につながりそうだ。 【写真】エネルギー長官に起用されたクリス・ライト氏(ロイター)
トランプ氏は声明で「クリスはエネルギー業界をリードする技術者であり、起業家だ」と強調した。新設する「国家エネルギー会議」のメンバーにライト氏を加えることも明らかにした。
ライト氏は、米コロラド州に本社を置く採掘会社「リバティー・エナジー」の最高経営責任者(CEO)。トランプ氏の考えに賛同し、地球温暖化問題の存在を否定してきた。トランプ氏はバイデン政権の電気自動車(EV)普及策などを「グリーン詐欺」と呼んで批判し、化石燃料を増産してエネルギー価格を引き下げる考えを示している。