海底で見つかった卒業記念の指輪、47年ぶりに持ち主の元へ
(CNN) モーガン・ペリゴさんは先月、83歳の誕生日を迎える前日、玄関先で思いがけない小包を受け取った。中身は、ペリゴさんが1977年になくした大学の卒業記念の指輪だった。ペリゴさんは65年にマクマスター大学を卒業していた。 小包の差出人はアレックス・デービスさん。プロのダイバーで、カリブのバルバドスで観光業を営んでいる。 観光業の閑散期、デービスさんは関心を寄せていた場所を映すウェブカメラをチェックしていた。そうした場所は今年発生したハリケーン「ベリル」によって荒らされていた。 デービスさんによれば、きれいな砂浜のようだった場所が急に岩がむき出しになっていたりしたという。 デービスさんは金属探知機を手に海に潜った。最初に、よくあるような錆びた釘やボトルのふた、硬貨などを発見したが、そのとき、硬貨について、あることに気が付いた。硬貨は1970年代や80年代のもので、明らかに古いものがたくさんある場所に入り込んだのがわかったという。 すると金属探知機が違う調子で鳴り始めた。その音は金を意味していることを知っていたデービスさんは周囲を掘り始めた。 砂や死んだサンゴ、岩を取り除いた後、デービスさんは中央に赤色の石がはまった指輪を発掘した。指輪は腐食しておらず、純金でできていることを示す印があることは水中にいても気が付いた。 デービスさんは陸に戻り、文字を拡大すると「マクマスター大学 1965」という文字と「FMP」というイニシャルが刻まれていることがわかった。 デービスさんはそれを見て、「なるほど。間違いなく、このことを本人に伝えるのに十分な情報がここにある。学校もわかるし、卒業年度もわかる。イニシャルも三つある」と思ったと振り返った。
持ち主を探して
デービスさんはすぐにマクマスター大学のウェブサイトを検索し、同窓会向けのメールにメッセージを送ったという。同大学の同窓会関連の責任者カレン・マクギーさんが明らかにした。 メールには、デービスさんが指輪を発見した経緯と、大学が所有者を特定するのに役立つ可能性のある指輪に刻まれた個人情報が記されていた。 旧友と再会したいという要望はよくあるが、今回の件は異例だったとマクギーさんは振り返った。 捜索範囲が絞りこまれ、「フレデリック・モーガン・ペリゴ」にたどり着くと、学校はすぐに連絡を取った。 マクギーさんから指輪について聞かされると、ペリゴさんはあ然としていたという。 ペリゴさんの説明によれば、77年に家族と一緒にバルバドスを訪問した際に指輪をなくしていた。波でひっくり返った息子を引っぱりあげようと手を握ったところ、指輪が指から外れて海に落ちてしまったという。
指輪の到着は完璧なタイミングで
大学がデービスさんに連絡し、さらに、デービスさんがペリゴさんに連絡した。ペリゴさんは深く感謝するとともに指輪をなくした状況を説明し、さらに驚くような情報も伝えた。 ペリゴさんの誕生日が近づいているとのことだった。デービスさんは「この物語がこれ以上、良くなることはないという感じだった。47年ぶりに海底で発見されただけでなく、指輪を見つけたのが誕生日の1週間前だったなんて」と語った。 デービスさんは指輪を梱包(こんぽう)すると誕生日前に到着するよう急送便で送り届けた。 デービスさんは、持ち主が分かる情報のある指輪をまた発見したら、必ず同じようにすると語った。