茂木健一郎 空海に興味「脳科学者として“異様な学習能力の速さは何なんだろう?”っていうのはあるよね」
TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。今回のお客様は、脳科学者の茂木健一郎さんと常連客の落合陽一さん。ここでは、NFTの話から空海のすごさについてトークが繰り広げられました。
◆歳月を感じさせない空海の文字
茂木:NFT(非代替性トークン)ってどうなんですか? 落合:僕は今でもNFTの作品をいくつか作っているんですけど、“NFTとプラチナプリントはどちらが長く持つのか”っていう作品を作っていて。 茂木:おお。 落合:NFTにしたやつを必ずプラチナプリントにして、ハッシュ値をQRにして付けることをやっていたんです。プラチナプリントって、対応年数がだいたい1,000年なので、紙さえあれば大丈夫なんですよ。言ってしまえば、(1,000年以上も残っている)空海の書物みたいなものです。 茂木:はいはい。 落合:それが面白くてひたすら作っていて、NFTは100年持つかなと思ったら、3年ぐらいで……(笑)。 茂木:(笑)。そういえば俺、この前、京都で空海の国宝をいくつか見たんだけど、やっぱりあの人はすごいね。 落合:字がうまいんですよね。 茂木:圧倒的だね。 落合:しかも、空海の手紙とかって、半紙が白くて、虫食いとかもあるけど、墨のトーンがいいじゃないですか。だから、コントラスト的には「あれ? 昨日書いたの?」って思うような。 茂木:(感じ方が)すごくフレッシュなんだよね。なんだったら“昨日まで生きていたんじゃないか?”みたいな(笑)。だから、あれにデジタルで対抗するのはなかなか大変だなって。 落合:難しいっすよ。やっぱり、墨と和紙ってすごく寿命が長いんですよね。NFTに比べて圧倒的に持ちがいいです。 茂木:ある意味、落合さんは空海的な展開をしているわけだよなぁ。 落合:そうですね。醍醐寺とかにプラチナプリントを奉納すれば、火災にならない限りは500年ぐらい見られます。 茂木:あと、脳科学者として、俺が空海に興味をもっているのが“異様な学習能力の速さ”。あれは何なんだろうな? っていうのはあるよね。 (TOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」放送より)