森高千里が語る、ミニスカートが私を一番輝かせてくれる。【ロマンスはボリューム#02】
「ミニスカートがステージ上の私をいちばん輝かせてくれる」
森高千里のアイコンといえば、とびきり可愛らしい衣装。あのロマンティックな服は誰のために選ばれたものなのか? 「あれこれそれ。あいつイライラするわ。関係ないセリフ、冗談じゃない。ストレスが地球をだめにする。ストレスが女をだめにする。ストレスが......」 「ザ・ストレス」でパフスリーブとミニ丈が印象的なウェイトレスのコスチュームを纏った森高千里は、愛らしい姿とは裏腹に当時の女性が抱く不満を強くストレートに歌った。本人は「17歳で上京して右も左もわからないまま活動を始め、うまくいかなかった時の気持ちを歌っただけ」と言うが、そのギャップで世の視線を釘付けにすることに。1987年のデビュー時はデニムセットアップやレザージャケットといった服を着ていた彼女が、後のパブリックイメージとなるガーリーな衣装を選ぶようになった理由をこう振り返る。
「私はアイドルではなく本格派アーティストとも違う、その中間のような存在だったと思うんです。でもCMやドラマ出演などいろいろ経験していく中でいちばん好きだったのが、やっぱりステージで歌うことでした。デビュー当時は方向性を探っていて、コンサートでGジャンとジーパンを着ていた時期もありましたが、観客の後ろの方まで衣装がわかるように派手になっていったんです」
自らの身を包む衣装に対して明確な意図を持つようになったのは、89年にリリースされ初のヒット作となった「17才」から。直前のコンサートで着たふわりと広がるフェミニンなミニスカートがとても好評だったため色違いで製作し、同作をテレビで披露する際に着用したことが、私たちが変わらず抱く"森高千里像"を定着させるきっかけとなった。「そこからミニスカートのシルエットを気にするようになりましたね。歌詞も自分で書いていましたし、歌手業を全うするうえで衣装が大切な要素のひとつだったんです」というこだわりは、脚が最も美しく見えるバランスを求めて数ミリ単位でスタイリストと調整を繰り返していたという逸話が何よりもその事実を物語る。