【インターハイ2024】東山の瀬川琉久、初戦でスター性を存分に示す「リングにアタックする姿勢は良かった」
世代No.1のアタックの勢い、決めきる力を誇示
福岡インターハイ2日目、朝一番の試合から福岡市総合体育館のスタンドは立ち見が出る盛況ぶり。中でも東山と桐光学園が行われるAコートに観客は集中していた。東山の瀬川琉久がティップオフからいきなりゴール下の得点にブロックショット、ピックからリムを攻めてのフローターでバスケット・カウント獲得と『超高校生級』のプレーを見せるたびにスタンドが沸いた。彼らのお目当てが誰なのかは、その歓声で明らかだった。 桐光学園は瀬川のオフェンスを何とか止めようとするが、カンダ・マビカ・サロモンの203cmの高さは意識せざるを得ないし、激しく当たりに行けば巧みにファウルを誘発される。東山は開始4分半で2桁のリードを奪い、第1クォーターを33-10と圧倒。ベンチメンバーが出ても、2番手の留学生ウェトゥ・ブワシャ・エノックがゴール下で力強いプレーを見せ、小野寺星夢がファストブレイクで相手のアンスポーツマンライクファウルを引き出し、敵陣でのパスカットやオフェンスリバウンド奪取など試合巧者ぶりを発揮。良い意味で容赦のない試合運びで、前半で60-22と大量リードを奪った。 後半は桐光学園が立ち直り、第3クォーターを30-21、第4クォーターを31-19と上回ったが、東山のセーフティリードに変わりはなかった。100-83の大勝を収めた試合後、大澤徹也ヘッドコーチは「初戦だったので入り方が重要。最後はすごく悪かったのですが、入りがスムーズに行けて主力が休めた分だけ次に繋がるゲームでした」とポジティブな面を強調した。 瀬川は29分半のプレーで18得点、さらには6リバウンド2アシスト2スティール3ブロックと攻守に素晴らしいパフォーマンスを見せた。「前半でガンと点差が開いてしまって、そこで気の緩みが出ました」と課題を挙げつつも、「みんなインターハイで日本一を取りたい気持ちが強いので、そこに向かって一丸となって練習できています。チームの仕上がりに改善点はありますが、試合を重ねていくにつれ全員で合わせていければ」と、こちらも前だけを見ている。 瀬川個人としては、やはり世代No.1のアタックの勢い、決めきる力を誇示するパフォーマンスだった。個人で強引に攻めればファウルを引き出し、なおかつ決めきる。この試合ではその力強さを存分に見せるとともに、「1回戦ということで、自分が攻めるよりも周りにパスして、周りの選手の調子を上げていくのもガードの仕事だと思います」と、ディフェンスを引き付けて味方のチャンスを演出するプレーもいつも以上に意識した。 「リングにアタックする姿勢は自分自身でも良かったと思いますが、そこで判断できなかったところは改善点ですし、もう少しジャンプシュートや3ポイントシュートの本数も増やしていかないと、レベルが上がるにつれてしんどくなると思います」と、自分の好調に手応えを得つつも油断はない。 それは最上級生になり、タイトル獲得を本気で狙う意思の表れでもある。「中学では日本一になりましたが、高校ではまだタイトルが取れていないので。去年のインターハイも2位とあと一歩で悔しい思いをしましたし、今年は誰よりも優勝への思いが強いと思っています」