59歳で退職間際の会社員。退職金「2000万円」で不労所得がほしいのですが、株で「月3万円」を得るなら、いくら買う必要があるでしょうか?
アパート経営や駐車場経営など不労所得が得られる生活に憧れる人もいると思いますが、まとまった資金が必要ですから、普通の会社員では退職金を全てつぎ込んでも難しいでしょう。 しかし、「株は持っているだけで不労所得を得られる」と聞くと、資産運用の1つの手段になるのではと興味を持つ人も多いのではないでしょうか。 そこで本記事では、なぜ株を持っているだけで収入が得られるのか、また株をどれくらい所有すると月3万円の所得になるのかを解説します。さらに、このような株式投資のリスクも紹介しますので、参考にしてください。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
なぜ株を所有するだけでお金がもらえるのか?
株式を保有すると収入が得られるのは、企業から「配当金」がもらえるからです。株主の特権として、株主優待を思い浮かべる人が多いかもしれません。 株主優待とは別に、企業によっては株主に対して利益を還元するために支払う配当金が得られます。年に1~2回ほど分配され、証券口座や銀行口座で受け取れます。 よく株式投資でイメージされる利益として、株の売却益、つまり株価が上昇したときに売却して得られるものを想像する人が多いでしょう。この株の売却益を「キャピタルゲイン」と呼ぶのに対し、配当金は「インカムゲイン」の1つであり、売却することなく継続的に得ることが可能です。 配当金の1株あたりの額は企業が決算後に株主総会を経て決めています。過去の配当、配当予想などは、証券会社のホームページなどでも調べられます。
月3万円の配当を得るには、株をいくら買えばいいのか?
それでは、配当金によって月3万円の不労所得を得るためには、株をいくら保有すればいいのでしょうか? それには株の「配当利回り」を把握する必要があります。 配当利回りとは、1株で1年間に得られる配当金を株価で割ったもので、「配当利回り=1株当たり年間配当金÷株価×100」の計算によりパーセンテージで表示されます。例えば、1株の株価が1000円だったとして、年間の配当金が10円であれば、配当利回りは「10円÷1000円×100=1%」です。 そのため、月3万円、年間に直して36万円の配当金を得るためには、配当利回りが3%の株の場合は1200万円分を保有する必要があります。明確な定義ではありませんが、配当利回りが3%を超えるような株は「高配当株」と呼ばれ、利回りが4%や5%を超える株もあります。 ちなみに配当金には20.315%の税金がかかりますが、個別の株式も対象となるNISA口座の成長投資枠(上限1200万円)を使って購入すれば非課税です。これらを踏まえると、図表1のとおり、配当利回り4%の株を保有すれば、1000万円以下の投資でも、月3万円以上の不労所得を得るのは不可能ではありません。