利用者広がる「期日前投票」、駅やショッピングモールも 便利だけど注意してほしいこと
「移動期日前投票車」が巡回する地域も
山々に囲まれた自然豊かなまち、岐阜県御嵩町。 「車を用いた移動式の投票所で、1日で複数の御嵩町内を巡回する投票所になっている」(御嵩町選挙管理委員会 加藤群さん) 19日と20日、投票箱を載せた車が地域を巡回し、近くに住む人に投票を促しました。 この取り組みが始まった背景、それは投票所の減少です。 御嵩町では、バリアフリー整備が十分でない投票所の環境改善への課題や、人口減少などで投票所の運営が難しくなってきたことなどから、12カ所あった投票所が5カ所に減少しました。
投票所が減っていることも背景に
近くの投票所が4km先に離れてしまった住人もいます。 「(移動期日前投票車は)そりゃ楽や。4kmも先まで国道(沿いにある投票所)におりていって、また帰りは4kmも上がってこないといけないから」(80代) 「いいと思うよ、近くまで来てくれるということは。80歳90歳になっても近場なら歩いて来られるけど。すごくいいことだと思います」(80代)
町選管「有権者の投票機会の拡充に」
2021年の岐阜県知事選挙から始まった、この取り組み。 これまでは2カ所のみの巡回でしたが、今回の選挙は4カ所に増やしました。 「10年前に比べて、投票率は御嵩町においては10ポイントほど減少している。投票率の増加においては、有権者の投票機会の拡充をはかるということが、ひとつの解決策だと思っているので、今回、期日前投票所を増やすことを決定しました」(加藤さん)
毎日が投票日
有権者の投票機会を広げる「期日前投票」。 3年前の衆議院選挙では、投票者全体のうち34.94%が利用しました。 東海3県を見てみると、岐阜県では4割を超えています。 まさに“毎日が投票日”。 選挙戦に臨んでいる各陣営も、こうした流れを意識していると専門家は指摘します。 「ある意味、投票日は実質的にのびている形になるので、早めに情報を有権者に提供しなくてはいけない形になっているのではと思います」(拓殖大学 政経学部 岡田陽介 准教授)