障害者向けグループホーム「恵」神戸市の会社に事業所を一括譲渡 利用者「安心したと言えない」と不安も
障害者向けのグループホームを運営する福祉事業会社「恵」は11月8日、全国の事業所を神戸市内の会社に一括で譲渡することを決め、厚生労働省と利用者の家族に報告しました。 「恵」をめぐっては、サービス報酬の不正請求や利用者からの食材費の過大徴収などあったとして、県と名古屋市が県内5カ所の事業所の指定を取り消す行政処分を行いました。また厚生労働省は事業所指定の更新を認めない「連座制」の適用を発表していて、全国に約100ある事業所は順次、運営ができなくなります。 恵の担当者によりますと、これらの事業所を神戸市内に本社を置く「株式会社ビオネスト」に一括で譲渡することを決め、11月8日に厚生労働省に報告しました。ビオネストは障害者向けのグループホームや訪問介護などの事業所を全国に展開している福祉事業会社です。 譲渡の完了は2025年1月末を予定していて、それまでに運営ができなくなる名古屋市内の3つの施設については、近日中に契約を進めるとしています。いま事業所で働いている職員は、希望すれば同じ条件のまま、ビオネストで働くことができる方針だということです。今後、指定の手続きが完了すれば、利用者もそのまま同じ事業所でサービスを受けることができます。 ただ、「恵」が運営する豊橋市内のグループホームに通う利用者は、テレビ愛知の取材に対し、「このままグループホームに通い続ける方針だが、安心したとは言えない。『恵』と同じく”営利法人”ということに、また同じことが起きるのではないかという懸念もある」と不安をにじませました。 2024年9月に福祉事業会社「ケアサポート」に譲渡をした、幸田町と西尾市にある2つの事業所については、そのまま「ケアサポート」が運営を続けるということです。
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