源孝志作品「TRUE COLORS」主演の倉科カナ「天草の空が好きでした」
本日1月5日よりNHK BSほかでスタートするプレミアムドラマ「TRUE COLORS」。昨年、「グレースの履歴」(NHK BSほか)で向田邦子賞を受賞した源孝志さんが、自身の書いた原作「私だけのアイリス」を基に脚本・演出。主演は倉科カナが務める。 ファッション業界のトップフォトグラファーとして、東京で活躍していた立花海咲(倉科)は、ある日突然目の難病を告知される。カメラマンとしての将来を悲観した海咲は、絶望感を抱えたまま、18年ぶりに故郷の熊本・天草へ足を向け…。 今回は、複雑な心情を抱える海咲を演じる倉科にインタビュー。天草での撮影や作品の見どころについて話を聞いた。
――まず、撮影を通しての感想を教えてください。 「私も海咲も熊本が出身で、東京に出てきてキャリアを積んでいるので共通点が多くて。熊本で撮影もしていて、すごく不思議な感じがしましたね。海咲と私が重なっていくような感じがして面白かったです」 ――出身地の熊本での撮影はいかがでしたか? 「海咲は標準語と熊本弁が混ざっているので、そのあんばいが逆に難しかったです。あとは、共演者の皆さんが方言で悩まれている時に相談に乗ったりと、少しお力添えができたのかな」 ――懐かしさはありましたか? 「最近、熊本が舞台の作品が多くて。でも、毎回あまり熊本弁はしゃべらなくて…(笑)。今回は東京での仕事もあったので、行ったり来たりして撮影をしていたのですが、天草発東京行きの飛行機がいい時間になくて。天草から車で熊本空港に帰る日があったんです。幼い頃、家族で天草へ遊びに行っていた道をマネジャーさんが私を乗せて走っているのがすごく不思議な感じがしました。幼い頃の私は自分が女優になることも分かっていなかったと思うし、いま作品を背負ってその道を通っているのが不思議でした」 ――今回カメラマンの役ですが、倉科さんは普段から写真の撮影はされますか? 「私、カメラマンの役が多くて。マネジャーさんが『カメラを背負っているのはデジャビュかな』って言うぐらい(笑)。普段は、インドア派なのであまり写真を撮る機会がないのですが、今回、監督から『倉科さんがどういう画角で撮るのか知りたいから、ロケ弁でもいいから撮って』と言われて、ちょこっと撮っていました。あとは、友達にカメラマンが多いのでアドバイスをいただいたり。今作では、カメラマンという役柄よりも、海咲の心情の方を大切にしていました。海咲は熊本の故郷を捨てて、東京でキャリアを積むのですが、天草に母や妹との関係など、いろいろ置いてきたものがあって。物語では、天草に帰って、母や妹の写真を撮っていくにつれて、ちょっとずつずれていたものがフィットしていくんです。それが、自分でピントなどを合わせなきゃいけないフィルムカメラのようにも感じました」