夏のボーナス、前年より「増加」が約4割 ~規模間格差が顕著~
「大企業」の約5割で夏季賞与が「増加」。一方、「小規模企業」は全体を10ポイント下回る
規模別に「賞与はあり、増加する」企業の割合をみると、「大企業」は前年比4.9ポイント増の47.2%となり、全体(39.5%)を7.7ポイント上回った。 他方、「中小企業」は同1.7ポイント増の38.2%、「小規模企業」は同1.9ポイント増の29.2%と、前年と比べて夏季賞与が増加すると回答した企業の割合が「大企業」よりも小幅な上昇にとどまった。 また、「小規模企業」では夏季賞与が「増加」すると回答した企業の割合が全体より約10ポイント低くなっており、依然として企業規模間に格差がみられる。
夏季賞与1人当たり支給額は前年から平均2.0%増。規模間格差が顕著
2024年の夏季賞与の従業員1人当たり平均支給額について、前年からの増減を尋ねたところ、夏季賞与の1人当たり支給額は前年から平均で+2.0%だった 。前年(+2.4%)を0.4ポイント下回った。 規模別にみると、「大企業」は+4.1%だった。他方、「中小企業」は+1.7%と「大企業」を2.4ポイント下回っており、規模間格差が目立つ結果となった。 中小企業からは「大企業は利益が大きいようだが、その恩恵は自社のようなサプライヤーには還元されず賞与を減らすこととなった」(鉄鋼・非鉄・鉱業)といった厳しい声が聞かれた。
物価の高騰に負けない賞与を含む賃金の上昇と「持続的な賃上げ」が実現できるかに注目
本アンケートの結果、2024年夏は企業の85%がボーナスや一時金などを含め何らかの賞与を支給する予定であることが明らかになった。なかでも賞与が増加する企業は約4割となり、支給額は前年よりも平均で2.0%増加すると見込まれることが分かった。 賞与を増やす理由として、業績の回復のほか、従業員のモチベーション維持や物価高騰による従業員の経済的負担の軽減を理由にあげる企業も少なくなかった。他方、賞与を減らす企業の多くは、原料費の高騰などによる収益悪化を理由にあげていた。 賞与支給予定の企業は多いものの、今後はエネルギー価格の高騰に対する政府の補助金の終了などによる電気代の値上がりや、円安の進行などを背景とした食品の値上げなどにより、消費拡大への効果は限定的にとどまる可能性もある。 物価の高騰に負けない賞与を含む賃金の上昇、および「持続的な賃上げ」が実現できるかが注目されている。 有効回答企業:1,021社 アンケート期間:2024年6月7日~11日