金融からダイヤモンド業界へ転身 「ケンジントン ダイヤモンズ」代表に聞く起業から子育てまで
女性のセルフラブを促進するブランドに
WWD:現在の課題は?
トンプソン:素材価格が高騰する中、どのように適正価格で商品を提供するかが大きな課題。だが、他ブランドも価格改定しているので、別の選択肢として選んでもらえる場合もあると考える。
WWD:今後、強化したい点は?
トンプソン:今までは、大粒のダイヤモンドが中心だったが、エントリー価格帯のだジュエリーを拡充し、若い層にも興味を持ってもらいたい。ファーストダイヤモンドを選んでもらえると嬉しい。ポップアップを継続して開催しつつ、関西にもショールームをオープンしたい。
WWD:ブランドとしてどのように成長させたいか?
トンプソン:ダイヤモンド=ロマンチックなものだとは思わない。結婚だけでなく、女性が昇格や出産などの人生の節目を祝うためのもの。ダイヤモンドを通して、女性が自分で成功を祝うセルフラブを促進するようなブランドにしたい。
WWD:母親業と社長業をどのように両立しているか?
トンプソン:子育て、仕事、家事、全て完璧にこなすのは不可能。家事などは、ヘルパーや宅配などのサービスを活用している。そうすることで時間をつくり、子どもと過ごす時間にしている。英語でワーキングマザーが直面する“MOM GUILT ママ・ギルト(母親の罪悪感)”という言葉がある。長男が生まれたときは罪悪感があったが、娘が生まれてからは、それを捨てることにした。子どもにとって大切なのは笑顔でいられる母親。自分が働く姿を見せるのも教育だと思っている。欧米は子育ての費用が高いが、日本は支援制度が充実しているので優遇されていると思う。